釜石市議会 > 2022-03-08 >
03月08日-02号

  • "総合政策"(/)
ツイート シェア
  1. 釜石市議会 2022-03-08
    03月08日-02号


    取得元: 釜石市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-09
    令和 4年  3月 定例会(第1号)            令和4年釜石市議会3月定例会会議録---------------------------------------           令和4年3月8日火曜日--------------------------------------- 議事日程 第2号   令和4年3月8日(火) 定例会         午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 議長の報告第3 市政に関する一般質問  1 (1) 住居表示の適正運用            5番 野田忠幸議員    (2) 新市庁舎建設について                〃    (3) CO2排出実質ゼロ表明について           〃  2 (1) 水産行政について             9番 遠藤幸徳議員    (2) 文化行政について                  〃  3   施政方針演述について           14番 山崎長栄議員  4 (1) 水道事業について             2番 磯崎翔太議員    (2) スポーツ事業について                〃    (3) 多文化共生推進プランについて            〃                                     以上--------------------------------------- 本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名…………………………………………………………46第2 議長の報告………………………………………………………………………………〃第3 市政に関する一般質問  1 (1) 住居表示の適正運用            5番 野田忠幸議員……47    (2) 新市庁舎建設について                〃   ……48    (3) CO2排出実質ゼロ表明について            〃   ……49  2 (1) 水産行政について             9番 遠藤幸徳議員……62    (2) 文化行政について                  〃   ……63  3   施政方針演述について           14番 山崎長栄議員……78  4 (1) 水道事業について             2番 磯崎翔太議員……92    (2) スポーツ事業について                〃   ……93    (3) 多文化共生推進プランについて            〃   ……94--------------------------------------- 出席議員(16名)                 議長   木村琳藏君                 副議長  菊池秀明君                  2番  磯崎翔太君                  3番  三浦一泰君                  4番  川嶋昭司君                  5番  野田忠幸君                  6番  深澤秋子君                  8番  高橋松一君                  9番  遠藤幸徳君                  10番  平野弘之君                  11番  千葉 榮君                  12番  佐々木 聡君                  13番  細田孝子君                  14番  山崎長栄君                  15番  水野昭利君                  16番  佐々木義昭君 欠席議員(1名)                  1番  古川愛明君--------------------------------------- 説明のため出席した者         市長           野田武則君         副市長          晴山真澄君         総務企画部長       佐々木 勝君         市民生活部長       菊池公男君         保健福祉部長       小笠原勝弘君         産業振興部長       平松福壽君         建設部長兼復興管理監   熊谷充善君         文化スポーツ部長     佐々木育男君         危機管理監        菊池拓也君         総合政策課長       佐々木義友君         総務課長         川崎浩二君         財政課長         佐野正治君         資産管理課長       千葉博之君         資産管理課新市庁舎建設推進室長                      藤井圭一君         まちづくり課長      平野敏也君         生活環境課長       和賀利典君         地域福祉課主幹      川崎達己君         国際港湾産業課ゼロカーボンシティ推進室長                      川崎文則君         産業振興部付課長(企業立地担当)                      菊池俊彦君         水産農林課長       小山田俊一君         建設課長         本間良春君         都市計画課長       新沼康民君         文化振興課長       藤井充彦君         スポーツ推進課長     佐々木 豊君         国際交流課長       中村達也君         防災危機管理課長     関 末広君         水道事業所長       今入義章君         教育長          高橋 勝君         教育部長         紺田和枝君         教育委員会総務課長    山崎博美君         学校教育課長       佐々木 誠君         監査委員         小林俊輔君--------------------------------------- 事務局職員出席者         事務局長         村上純幸         事務局次長        廣田昭仁         事務局次長        小山田富美子---------------------------------------               午後1時会議を開く ○議長(木村琳藏君) 本日の出席議員は16名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届出は1番古川愛明君の1名であります。 直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第2号により進めます。 釜石市議会は申合せにより、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、1時間に一度、換気のため10分程度の休憩を設けます。 傍聴の方、市当局、議員の議場内でのマスクの着用と、マスクを着用したままでの発言に努めるようお願いします。 多人数が集合している状況であることを考慮し、効率的な会議の進行に御協力をお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により、議長において、13番細田孝子君及び15番水野昭利君を指名いたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第2、議長の報告であります。 市長から令和4年3月8日付、釜総発第346号をもって、令和4年3月釜石市議会定例会正誤表の送付があり、お手元に配付しておりますので御了承願います。 この際、当局から発言を求められておりますので、これを許します。 総務企画部長。 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 去る2月28日の市長施政方針演述において一部誤りがございました。 7、未来をつくる人と産業が育つまち、水産農林業の振興の林業の振興の中で、当市での開催が予定されている「いわての森林の感謝祭」などを通じてと申し上げましたが、この部分は誤っておりましたので、本日お配りしました正誤表のとおり削除し、訂正いたします。 誠に申し訳ございませんでした。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第3、市政に関する一般質問を行います。 順次質問を許します。 5番野田忠幸君、登壇願います。  〔5番野田忠幸君登壇〕 ◆5番(野田忠幸君) 21世紀の会、野田忠幸です。 私からは、住居表示の適正運用について、市庁舎建設について、そしてCO2排出実質ゼロ表明について質問させていただきます。 まず初めに、住居表示の適正運用についてであります。 今、私たちが日常使っている住居表示、住所の表示について質問します。 私たちが使っている住所の表記は、従来からの地番を用いた住所での表示と、昭和37年施行の住居表示に関する法律に基づいてつけられた表示方法と、その両方があります。従来からの地番を用いた住所は土地の所在地、すなわち土地の登記の地番、固定資産税通知書に書いてある地番をそのまま住所にするというものです。何地割何番という表示がその代表例であります。 この表示方法には土地の合筆、分筆で住所が左右される等の問題点もあり、それが市民生活に不便を来したり、行政事務の非能率の原因にもなったため、その不都合を解決し、分かりやすく訪ねやすいまちづくりを目的とし、同時に郵便物を配達しやすいようにと合理的な表示方法を取り入れようとして施行されたのが住居表示に関する法律です。 このような経緯で住居表示法がスタートしたのですが、釜石市では、住居表示に関する法律による住居表示が市内全域に適用されているわけではなく、従来の地番で住所の表示がなされている地域がまだ多く存在します。そのために不便を感じている市民が多いと聞きますが、市は、このような地域の住所の表示、表記について、今後、住居表示法を適用していく予定はあるのか、あるいは、今後どのような処理を進めていく予定なのか伺います。 また、住居表示法が適用されて、分かりやすい住居表示になったはずなのに、同じ住所である家が多数存在し、ふだんの生活に不便を来している地域があると聞きますが、市ではそのような実態を把握しているのか。把握しているのであれば、なぜそのような地域ができたのか。また、これについてどのように対処してきたのか、あるいはこれからどのように対処しようとしているのか、その予定や方針を伺います。 次に、市庁舎建設について伺います。 初めに、市庁舎の建設について質問いたします。 これまで市庁舎建設に関して支出してきた費用は、何に関しどれほどか概略を伺います。あわせて、これから支出されると予定される金額で、今現在で判明している金額を示していただきたい。 次に、新市庁舎の建設価格は、入札においては来年度の資材価格で実行されるため、現時点においてもこれまでの試算額である約50億円から、大幅な値上がりは避けられないであろうと予測されます。そこで、当局としてこれら資材等の高騰が庁舎建設費の増額にどの程度影響を与えると捉えているのか。また、その増額に対して、どのように財政的手当を予定しているのか伺います。 また、市の請負契約書によれば、工事請負契約締結後に人件費、物価の変動により建設費が当初の契約より膨らんだときには、請負代金額の変更が可能とされているようでありますが、これに上限を設定することは可能なのか伺います。 次に、新市庁舎の日本海溝・千島海溝地震による津波の影響についてですが、現在、岩手県が行っている最大津波シミュレーションに関する発表がなされるまでは仮定の話となりますが、あえて伺います。市民からは、建設地が天神町に決定したので、一日も早い着工、完成を望む声が聞こえる一方、最大津波を耳にして、本当にここで良いのかという不安の声もあるのも事実であります。 そこで、建設地決定後に生じた諸条件を前にして、吟味すべきと思われる点もあるので確認させていただきたい。 まず、以前に、さらなるかさ上げについて質問したときに、推進室長から様々な方法を考えているところだという答弁をいただきました。しかし、建設予定地の北側は、第1種中高層住居専用地域であり、建築基準法上の斜線制限や日影制限等の規制がありますが、もし、さらなるかさ上げがあるなら、これらを全てクリアできるのか。そのかさ上げに莫大な費用がかかることはないのか。どのような方策を考えているのかを提示願いたい。 次に、釜石市役所の位置を決めた条例に関して質問します。 令和3年6月に釜石市役所の位置を天神町5番20号と定める条例が可決成立しました。しかしながら、その後に国が示した津波シミュレーションにより、この条例可決の前提となった自治法第4条に定める住民の利用に最も便利な位置という要件を欠くに至ったのではないかという懸念が生じます。なぜなら、住民の利用に最も便利とは、平時においてはもちろんですが、災害時、緊急時の使用に際しても求められる要件と考えるべきだからであります。 こう考えるとき、条例で決定した場所は、津波シミュレーションでは浸水で孤立する蓋然性が高く、決して最も便利な位置ではなくなります。ここまで多くの時間を割いて議論を重ねてきましたが、その前提が大きく揺り動いているとき、いま一度立ち止まって、市民の利益を考えるのが、我々市政を担う者の責務であり、使命であります。幾つかの条件が変わってきましたが、なお、決められた天神町に建設するという市長の思いに変わりはないのか。庁舎の位置の再考についての当局の考えを伺います。 次に、CO2排出実質ゼロ表明について伺います。 昨年10月29日、市長は2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すことを表明しました。これは他の自治体と同じく二酸化炭素が環境に及ぼす影響を排除しようとする国の政策に呼応するものだと思われます。しかし、政府、他の自治体と同様に、釜石市もこのようなCО2排出規制に向かうのであれば、今後、市内企業の経済活動に大きな影響を及ぼすものであり、私は、このような規制に疑問を有するので、表明の真意について質問します。 まず、地球温暖化とCO2排出規制を主張する根拠は、これまでの気象データと将来の気候シミュレーションの2つを基礎にしているものと思われますが、政府報告書「日本の気候変動とその影響」や、気象庁の「気候変動監視レポート」では、異常気象を示すデータは見当たりません。また、国連の科学的諮問機関であるIPCCの報告では、熱帯性低気圧の活動度の増加は確信度が低い、つまり、変化は確認されていないと書かれています。 このように、異常気象を示すデータがまだはっきりと読み取れないうちに、市長が、異常気象を前提にCO2排出規制を表明するに至った経緯を御説明願いたい。 2013年に時の総理が表明した、2030年CO2削減26%、後に46%に変更されましたが、2050年までには排出量ゼロという目標について、エネルギーインフラの経験者は、2030年は3か月後、2050年は3年後というくらい短い時間軸に感じると言います。これからしても、市長表明の2050年までのCO2排出量ゼロは、あまりにも性急に過ぎるものと言えます。それが市民の経済活動に及ぼす、次のような経済的悪影響や痛手を考えると、その必要性、妥当性には疑問を持たざるを得ません。 まず、昨年4月に、経済産業省が、全国に150基ほどある石炭火力発電所を減らすため規制強化の方針として、その発電効率を電力会社ごとに43%にするよう新たな基準を示しました。経産省の集計では、2019年時点で石炭火力で最高水準に当たる発電効率が43%以上の発電所は僅か2基、40%以上が31基であり、残りの火力発電所は発電効率が低いとされ、2030年にかけて休廃止や更新が必要となる事態に直面しております。 釜石市内にある石炭火力発電所は、岩手県内の40%の世帯の電力需要をカバーできる設備でありますが、低効率な設備とされています。仮に同発電所が営業を取りやめる事態となったとき、それによる雇用や地域経済への影響等を市はどのように捉えているのか伺います。 次に、影響が出るとして注意すべきは金融問題であります。 これは、CO2排出規制がSDGsと相まって、これらに早期に適応できない企業に対して、金融機関が融資控え・融資規制の方向に動くであろうと懸念されることであります。既に昨年6月に3メガバンクは、火力発電所の投融資について、厳格化または全面停止するという方針を打ち出しています。このような統制経済にも似た状況が釜石市内の企業にも及び、融資控えや融資規制が行われれば、当然、困窮する企業、事業者が出ることは想定されます。 このコロナ禍によって疲弊している地元企業の経済活動に、さらなる追い打ちをかけるであろう急激なCO2削減について、市当局はどのような認識を持っているのか伺います。 市の立場として、国の方針に従うことは理解します。2050年までにCO2排出ゼロをとの主張も、市長の表明も、よかれという思いから始まっているものであり、私も地球温暖化のリスクを否定するわけではありません。しかし、科学的データに基づいて冷静に判断し、ロジカルに考えれば、温暖化は緩やかに進行しており、地球温暖化による気象変動への対応は決して喫緊の課題でないことが分かるはずであります。地球温暖化の要因がCO2排出であるという説は確証がなく、反対に、自然気象変動の方が大きな原因であるとする研究も強く主張されております。 COP26において、インドや発展途上国等が石炭火力の廃止に抵抗したのは、CO2排出規制の環境問題が、同時にエネルギー問題であり、経済問題でもあることを示しています。したがって、たとえ安全圏を考えてCO2を一定程度削減するとしても、急激な削減を目指すのではなく、CO2を使用して発展する経済活動の中から、CO2を削減、回収する技術的革新を追求する方向で推進すべきであると考えます。地球温暖化防止をうたい、環境問題の名の下に、急激なCO2排出削減を進める政策は、日本のエネルギー問題を誤った方向に向かわせ、日本の経済活動、釜石の経済に多大な痛手を与えるものと考えます。 以上の点を踏まえ、さきに表明したゼロ宣言について、再考する必要があると思いますが、当局の所見を伺いたい。 以上をもちまして、壇上からの質問を終わります。時間が許せば自席より再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 野田議員の御質問にお答えをいたします。 2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すという表明に至った経緯及び表明の再考についての御質問にお答えをいたします。 まず、政府やIPCCの報告書から異常気象を示すデータが読み取れないうちに、異常気象を前提にCO2排出を規制するという表明に至った経緯についての御質問でございますが、気象庁が示している異常気象とは、過去に経験した現象から大きく外れた、人が一生の間にまれにしか経験しない現象を言い、大雨や強風等の激しい数時間の現象から数か月も続く干ばつ、極端な冷夏、暖冬などを含む、ある場所、ある時期において30年間に1回以下の頻度で発生する現象とされています。近年、日本はもとより世界各国で猛暑、大型台風、豪雨など多く発生しておりますが、その要因は、CO2を代表とする温室効果ガスの排出による地球温暖化であると考えられております。 令和3年9月のIPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書では、人為起源の気候変動は、世界中の全ての地域で多くの気象及び気候の極端現象に既に影響を及ぼしていて、世界の平均気温は今世紀半ばまでは上昇を続け、数十年の間CO2及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に地球温暖化は1.5℃及び2℃を超えるとされております。自然科学的見地から、人為的な地球温暖化を特定の水準に制限するには、CO2の累積排出量を制限し、少なくともCO2正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要があると述べております。 このような状況の中で、国は、パリ協定に定める目標の世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、さらに1.5℃まで制限する努力を継続すること等を踏まえ、令和2年10月に2050年カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指すことを表明いたしました。また、地域脱炭素ロードマップの作成や地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正が令和3年6月に公布され、本年4月から施行されることとなっており、国を挙げての取組が進められております。 岩手県におきましても国と同様、地球温暖化対策の重要性及びパリ協定の目標達成に地域から貢献する観点から重要であると考え、令和元年11月に温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロを発表しております。 なお、県内の市町村の動向ですが、令和3年10月時点で13市町村が同様の表明をしております。釜石市環境基本条例第3条第4項の基本理念には、地球環境保全は、地域の環境が地球の環境に深い関わりがあることを認識し、あらゆる事業活動及び日常生活において積極的に行わなければならないと定めております。また、現在策定中の釜石市環境基本計画においても、省エネルギーの推進や再生可能エネルギー導入の促進など、脱炭素に向けた取組や施策を盛り込み、市民、事業者、行政が一丸となり脱炭素社会を目指すことといたしております。 これらを踏まえ、将来の当市の環境保全や地球環境保全のためには、市民一人一人が、今置かれている状況を把握し、危機感を持って行動していく必要があるとの考えから、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すことを表明するに至ったものであります。 次に、先に表明したゼロ宣言について再考する必要があるのではないかとの御質問でございますが、先ほども申し上げましたが、IPCCの報告書によれば、世界の平均気温は今世紀半ばまでは上昇を続け、数十年の間CO2及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中には1.5℃及び2℃を超えるとされております。地球温暖化による気候変動への対応は、喫緊の課題ではないのではないかとの御意見もあると思いますが、当市におきましても、気象庁のデータによれば、1981年から2021年までの40年間で平均気温が3.3℃上昇しておりますし、県が昨年3月に作成した第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の分野ごとの主な影響と将来予測には、高温による米、果樹の品質低下、海水温の上昇によるサケなどの分布域の変化、野生鳥獣の生息域拡大による農業・人的被害などが挙げられております。 このような状況を踏まえ、環境への負荷の少ない持続可能な地域社会を構築し、未来の子どもたちに当市の豊かな自然環境を引き継いでいくためには、今できることから始めていく必要があると考えております。そのために、市民や事業者などの代表で構成される環境基本計画策定委員会や学識経験者であるアドバイザーなどの御意見をいただきながら、どのようにすれば当市の地域特性を生かし、環境を守りながら企業が存続できる計画が策定できるのか、どのようにCO2の排出削減に取り組むのかなどを検討しながら、現在、環境基本計画の策定に取り組んでおります。環境省ではカーボンニュートラルへの挑戦が、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想で、日本全体で取り組んでいくことが重要であるとし、新たな地域の創造や国民のライフスタイルの転換など、カーボンニュートラルに向けた需要創出の観点に力を入れながら政府が一丸となり取組を推進しているところであります。 しかしながら、CO2削減のための取組は、事業者、特にもエネルギーを大量に消費する事業や化石燃料を大量に消費する事業にとっては、非常に大きな負担を強いることとなり、場合によっては事業者の存続そのものにも直接的な影響を及ぼしかねない取組でもあります。 したがいまして、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指すとした当市の表明は、一方的にCO2の排出を規制するのではなく、市民、事業者、行政がそれぞれの役割を確認するとともに、地域経済の発展や事業者の存続、また、市民生活の向上につながる脱炭素社会を目指したいとの思いから表明したものであります。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 総務企画部長。  〔総務企画部長佐々木勝君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 私からは、新市庁舎建設についての御質問にお答えします。 まず、これまで新市庁舎建設に支出してきた費用の概略と、今現在で判明している支出が予定されている費用についての御質問ですが、これまでに支出してきた費用につきましては、昭和61年からの検討などに係る事務的なものを除く、建設に係るものとして、平成30年度から令和元年度に基本計画策定及び基本設計業務を行っており、この費用として約4197万円を支出しております。また、建設予定地の地盤調査経費として約1027万円、実施設計業務には令和元年度から着手し約9434万円、オフィス環境の設計に約1116万円、そのほか経費の再積算や登記嘱託、建築確認申請などに約925万円を支出しております。 建設予定地の周辺環境整備費用としましては、市道只越天神町線の改修に係る設計委託料として約1684万円、汚水管の布設工事に約400万円、同線の道路改良工事に約6874万円、天神歩道橋の撤去工事に約2086万円、市道天神町3号線道路改良及び天神町5号線新設工事に約6343万円、そのほか、電柱移設や現場管理の支援委託など約418万円を支出しております。 なお、この支出金額は今年度の支出予定金額も含めたもので、合計すると約3億4504万円となっております。また、今後、支出が予定されている費用につきましては、令和3年9月時点におけるものですが、電気設備・機械設備及び工事監理業務委託を含む建物本体の工事費用として約52億2700万円、備品購入費用として約2億5300万円、引越し費用として約2300万円、道路の本舗装、電柱移設費用として約3400万円、現庁舎の解体費用として約3億6000万円、ネットワークや防災の機器移設などに係る経費として約3億円の合計約61億9700万円を予定しております。 次に、資材などの高騰が新市庁舎建設経費に与える影響及び増額分に対する財政的手当の見込みに関する御質問ですが、建設資材の単価は、社会情勢の変化により変動しており、昨今のコロナ禍やカーボンニュートラル施策の推進などにより、一昨年度から価格高騰が顕著となっております。 また、この影響は資材単価のみならず、電気や機械製品の価格にも跳ね返っており、現時点では価格高騰傾向の終息時期を図りかねているところでございます。 こうした状況において、新市庁舎建設への影響も相当大きくなるものと見込んでおりますが、現時点におきましては、岩手県が公表予定の最大津波シミュレーションの結果を待って、必要に応じて設計の変更を行った上で建設費の積算を行うことが効率的であると考えており、増額の具体的な数値につきましては、それ以降に、皆様にお示しながら協議をさせていただきたいと考えております。 なお、増額分に係る財政的手当につきましては、可能な限り庁舎建設基金への積み増しをしつつ、市債及び一般財源により手当てをしてまいります。 次に、人件費や物価の変動によって建設費を増額変更する場合、その契約金額に上限を設定することは可能かとの御質問ですが、当市の請負契約に際しまして、一般的な契約においては、その基本的事項を取り決めする、契約別記も併せて取り交わしております。この契約別記には御質問のありました賃金または物価の変動に基づく請負契約金額の変更に係る条項がございます。これは、不可抗力な事象からくる工事への影響に対し、適正な価格による、適正かつ確実な事業完了を補完するためのものであり、上限を設定することは不可能であります。 ただし契約金額の変更につきましては、発注者及び請負業者の協議合意によらなければならないことから、例えば、経費の増額に際しても検討協議の過程を経なければならないものであります。特にも新市庁舎建設工事は契約金額が多額であることから、議決案件となるものであり、また予算確保の観点からも皆様の御意見、御承認をいただく必要があると考えており、丁寧な対応をしてまいります。 次に、岩手県が行っている最大津波のシミュレーションに対する建設予定地での対策案の検討状況についての御質問ですが、最大津波のシミュレーション結果が公表されていない中で、あくまでも仮定ではありますが、浸水した場合の対応策として大きく5つの案を検討しております。1つ目はさらなる盛土によるかさ上げ、2つ目はピロティーによるかさ上げ、3つ目は敷地を防潮堤のような擁壁で囲むもの、4つ目は1階の窓をコンクリート壁に変更し出入口部分に陸閘を設置するもの、5つ目は1階をオープンスペースとして浸水を許容するものです。 これらのうち斜線制限や日影制限に影響が出るものは、施設の高さを現設計より高くする案となりますが、設計の根本的な見直しにより理論的には対応可能なものとして検討を行っております。 費用につきましては、莫大な追加経費を要するものから、ほぼ変更なく対応できるものまであることから、岩手県のシミュレーションの結果次第ではありますが、浸水が想定された場合は、安全面や費用面、利便性など様々な角度から、これら5つの案を主体として検討したいと考えております。 次に、庁舎建設予定位置の再考についての御質問ですが、地方自治法第4条にある住民の利用に最も便利であるようにとは、主として平時の利用の際の交通の便や、他の官公署や公益的施設との近接性への配慮について記したものと認識しておりますが、当市としても時代の要請や地域特性の中で判断すべきものと考えており、特に東日本大震災により大きな被災を経験した当市においては、災害時の利用は重視すべき項目であると考えております。そうした中で津波浸水時における住民の利用も評価すべき要素の一つとして、現在、岩手県が行っている津波シミュレーションの公表を待っているところであります。 確かに、現在の建設予定地は、津波浸水による孤立のリスクが高い位置にあり、孤立が想定されない場所が比較対象となった場合、この点について、現在の建設予定地の評価は低いということになります。ただし、評価すべき点は津波による孤立だけではなく、平時の利便性や他の災害に係るリスクなどもあることから、これらを総合的に検討した上で判断する必要があり、当市としては現時点で現在の建設予定地が優位であると考えております。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、石炭火力発電所について及び地域企業の経済活動におけるCO2削減への取組の影響についての御質問にお答えします。 初めに、石炭火力発電所に関する御質問ですが、市内の石炭火力発電所は、当時の新日本製鐵株式会社釜石製鉄所がIPP、独立系発電事業者として平成12年に操業を開始したものであります。平成22年からは、温室効果ガスの削減と林業振興に寄与するため、地域で発生する木質バイオマス資源と石炭の混焼が行われております。定格出力は14万9000キロワットと県内最大を誇り、自社利用のほか電力会社等への売電を行っていると伺っており、当市の基幹的な事業所である釜石製鉄所の収益構造にも大きなウエートを占めているものと推察しているところです。 こうした中で令和2年7月、経済産業大臣の記者会見において、脱炭素社会の実現を目指すために、エネルギー基本計画に明記されている非効率な石炭火力のフェードアウトや再エネの主力電源化を目指して、より実効性のある新たな仕組みを導入すべく検討する旨の表明がございました。これを受けて経済産業省では、地域の実態を踏まえた安定供給の確保に配慮しつつ、より実効性のある規制的措置の導入に向けた検討を行うため、石炭火力検討ワーキンググループを設置し、産業界をはじめ様々な意見を伺いながら議論を進めております。 昨年4月に同ワーキンググループの中間取りまとめが公表されておりますが、新たな規制的措置のポイントとして、1つに、新たな指標として石炭単独のベンチマーク指標の新設、2つ目に発電効率の目標強化として発電効率目標の43%への引き上げ、3つ目として脱炭素化への布石としてアンモニア混焼・水素混焼への配慮措置の新設を掲げ、石炭火力の発電効率目標の強化などにより、個別発電所の休廃止規制ではなく安定供給や地域の実情に配慮しながら、非効率石炭火力のフェードアウト及び石炭火力発電の高効率化を促進する旨を打ち出しました。 一方で、2030年に向けて非効率石炭火力をフェードアウトする場合の地元雇用や地域経済への影響をまとめた資料が同ワーキンググループに提出されており、定格出力約31万キロワットから100万キロワットの国内5つの火力発電所の1地点当たりの状況は、運転や保守に従事する者の総数は200から500人、修繕費、設備投資の地元への発注額は年に10億から30億円、固定資産税、事業税などの地方税は年に2億から8億円で、出力14万9000キロワットの当市に置き換えた場合でも地域経済への影響は非常に大きいものと受け止めております。 このような中で、NEDOは本年1月、総額2兆円のグリーンイノベーション基金から約2500億円を9つの関連事業に補助すると発表しており、石炭火力発電における脱炭素燃料の1つとして期待される燃料アンモニアの社会実装を進める大型プロジェクト598億円も採択され、今後、実用化に向けた研究開発が加速するものと捉えております。さらに、鉄鋼関連業界においても、独自の研究開発や技術革新を進めながら、産業界としての責務を果たすべく取り組んでいると伺っております。 当市といたしましては、当該火力発電所は基幹企業の安定経営はもとより、地域経済に与える様々な影響、さらにエネルギー供給拠点としての優位性確保の観点からも長期安定的な操業を一貫して望んできたものであり、今後ともさきに述べました動きを注視しながら、情報収集に努めてまいります。 次に、地域企業の経済活動におけるCO2削減への取組の影響についての御質問ですが、国が昨年6月に策定したグリーン成長戦略においては、2050年カーボンニュートラルへの挑戦を産業構造や経済社会の変革を通じた大きな成長につなげる方針の下、成長が期待される産業14分野に関して高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員することがうたわれております。 一方で、脱炭素化に向けた社会変化は、急激でかつ厳しい規制や制約として強く意識され、再エネ電力の調達による電気代の負担増、化石燃料の使用制限に伴う取引の減少、二酸化炭素排出量の多い産業や企業等に対する国際世論、さらにはこうした産業や企業への金融機関からの融資減少といった産業活動への影響も懸念されております。当市においても、人口の減少と少子高齢化の進行による地域経済の活性化が課題である中で、長引くコロナ禍が企業の活力をそいでおり、さらに、いわゆる環境コストが経営に与える影響は大きいものと認識しております。しかしながら、脱炭素化は既に世界の潮流、かつ時代の要請といえる状況となっており、脱炭素社会への取組は復興後の新たなまちづくりのテーマともなり得るものと考えられます。 このような観点から、再生可能エネルギーを最大限活用することで新たな価値を生み出し、地域経済の循環や雇用を創出し、地域の持続可能な発展につなげていくことが極めて重要であり、企業においても着実に脱炭素化に取り組んでいくことが、企業の成長や収益向上につながるものと考えております。 環境省がまとめた中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブックにおいても、そのメリットとして5つが示されております。 1つ目は、自社の競争力を強化し、売上げ、受注を拡大する優位性の構築で、取引先の選定に脱炭素の取組を考慮する企業が増えており、継続してサプライチェーンを構築することが可能と考えられております。 2つ目は、光熱水費、燃料費の低減で、脱炭素に向けては、エネルギーを多く消費する非効率なプロセスや設備の更新が必要であり、それに伴い光熱水費、燃料費の低減が考えられております。 3つ目は、知名度や認知度の向上で、省エネ対策や再エネ導入に積極的・先駆的に取り組むことでメディアからの注目の高まりや国などからの顕彰対象となることなどが考えられます。 4つ目は、社員のモチベーション向上や人材獲得の強化で、地球温暖化への関心が高い人材から共感・評価が得られ、意欲的な人材獲得を期待することができます。 5つ目は、資金調達が有利に働くことで、金融機関からの資金調達面で優遇されることが考えられます。 こうしたメリットを勘案し、企業の脱炭素化により事業基盤の強化や新たな事業機会の創出、企業ひいては地域産業全体の持続可能性の強化につながることを期待するものであります。 したがいまして、国のエネルギー政策や企業の動向を注視しながら、関係企業や団体等で構成する市ゼロカーボンシティ推進検討会、さらには新年度に策定する環境基本計画の策定委員会等の意見、提言をいただきながら、市内の事業者等が積極的に脱炭素社会に挑戦できる状況を形成できるよう、関係機関団体と連携協力して取り組んでまいります ○議長(木村琳藏君) 建設部長。  〔建設部長兼復興管理監熊谷充善君登壇〕 ◎建設部長兼復興管理監(熊谷充善君) 私からは、住居表示の適正運用についての御質問にお答えします。 まず、地番で住所を表記している地域に住居表示の適用を広げる予定はあるのかとの御質問ですが、住居表示は、住居表示法に関する法律により、市街地にある住宅や事務所などの所在する場所を表示する方法として定められた制度で、当市においては、昭和37年の法施行を受け、昭和39年以降、主に人口が集中している市街地において住居表示を実施しております。 現在、住居表示を実施していない主な市街地といたしましては、松倉地区や上平田地区などが挙げられます。住所を町名地番から住居表示へ変更するに当たっては、基礎的な調査や住居表示台帳等の作成に多額の費用を要するほか、住民の事務負担も大きいことから、基本的には、大規模な市街地整備に伴い町名地番が変更される地区において実施し、業務の効率化や住民負担の軽減を図ってきたところであります。 今後の実施予定については、住居表示を実施していない地区において、人口の集積が見込まれる大規模な市街地整備事業を実施する場合、住居表示の導入を検討する必要があると考えておりますが、現状では、従来どおり町名地番を用いる方法を継続することが現実的であると考えております。 なお、震災復興事業により新たな市街地を整備し、併せて町名や地番を変更した、片岸町、鵜住居町及び平田町においては、住居表示の実施を検討した経過はございますが、土地区画整理事業により土地地番が整理され、住民の日常生活に不便を与えるおそれが少ないことから、住民合意を得た上で実施を見送っているところでございます。 次に、住居表示実施区域内における同一住所の実態についての御質問ですが、住居表示制度には、幾つかの問題点が指摘されております。 主な問題点としては、住居表示と不動産・本籍表示が二本立てになること、道路事業等により、街区そのものが変化する場合があること、建物の建て替えに伴う出入口の変更により、住居番号の連続性が失われる場合があること、そして宅地分割や小規模開発により、同一住居番号が発生する場合が少なくないことなどが挙げられ、このうち同一住居番号の発生は、住居表示制度の重要課題と言われております。当市においても、同一住居番号が発生しておりますが、先ほど申し上げた住居表示実施後に行われる宅地分割や小規模開発が主な原因となっております。 具体的に申し上げますと、住居表示は国が示している実施基準において、道路などに沿って10メートルから15メートル程度の一定の区間に区切って基礎番号を設定し、建物の出入口が設定する位置の基礎番号を住居番号とすることとされているため、住居表示実施後の宅地分割によって、同じ基礎番号の中に複数の建物の出入口が接することとなった場合、同一の住居番号となってしまうものであります。 次に、同一の住居番号が発生している地域への対処についての御質問ですが、当市においては、昭和39年の住居表示実施以降、長期にわたって、国が示している実施基準どおりに制度運用していたため、同一住居番号となる建物が発生し、一部の市民に御迷惑をおかけしている状況もあります。住居表示制度の重要課題と言われている同一住居番号の発生については、他の自治体でも課題となっており、近年では従来の実施基準にとらわれず、住居番号に枝番号を加えることにより、同一住居番号の発生を解消している自治体も多くあります。当市におきましても、同一住居番号の発生を重要な課題として捉えていたことから、平成29年に運用を見直し、住居番号に枝番号を加えることにより、新たな同一住居番号の発生を防止するよう努めているところであり、引き続き、市民に分かりやすい住居表示の適正運用に努めてまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君。 ◆5番(野田忠幸君) それでは、あまり時間ありませんので、まず市長表明について、異常気象を前提とするCO2排出規制をやった、その経緯を説明願いたいと質問したんですけれども、異常気象の定義はありましたけれども、それが発生したかどうかはちょっと分からない答弁でありました。日本はもとより世界各国で猛暑、大型台風、豪雨などが多く発生していますと、これが異常気象が起きている判断なのか、そういう意味だと思いますけれども、私が質問で示した気象庁のデータでは、台風は強くなっていないし、豪雨も増えていないでありますが、当局のほうでは別なデータを持っているんでしょうか。一体何を根拠にして異常気象が発生しているとしてCO2排出規制を表明したのか、その辺の根拠を教えてください。 ○議長(木村琳藏君) 生活環境課長。 ◎生活環境課長(和賀利典君) 表明に至った経緯についての御質問にお答えをさせていただきます。 市長答弁にもありましたIPCC第6次評価報告書、第1作業部会報告書によりますと、人為起源の気候変動におきましては、世界中の全ての地域で多くの気象及び気候の極端現象に既に影響を及ぼしておるとされております。また、近頃2月28日に公表されております第6次評価報告書の第2作業部会の報告書におきましても、気温が今のままいきますと2度及び1.5度上昇するというような、そういう見解も示されているところでございます。 ただ、詳細につきましては、今後そういった資料、データも翻訳されて公表されると考えております。 国が2050年までに実質ゼロにするという表明につきましては、国会でも可決されまして、気候非常事態宣言が発表されておりますけれども、もはや地球温暖化問題につきましては、気候変動の域を超えて気候危機の状況に至っているということが世界共通の認識になっているということで考えております。今、世界では、日本だけではなく各国が協力しまして、このゼロカーボンを目指して温暖化に取り組まなければいけないということで、私たち一人一人ができることから始めて環境に配慮した生活を送らなければいけないということになっております。 このようなことから、私たちは、先ほど議員は確証がないというような話をしましたけれども、今まで出されているこういったIPCCですとか、気象庁が出しているデータ、それを基に異常気象が続くので、それを何とか止めたい、対応したいということでこのような表現をさせていただいたということでございます。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君。
    ◆5番(野田忠幸君) 今の答弁の中で、気象庁の発表の台風が強くなっていないとか、豪雨が増えていないというところに対する説明はなかったので、ちょっと残念でありました。 それと、CO2と異常気象の関係性とか、CO2とか地球温暖化の関係性というのは、全くこれは確証がないんですよね。皆さんが騒いでいるだけで、一体どこに根拠があるのか、一生懸命探したけれども、なかなかないんですよ。これからいろいろと探してみようと思います。 次に、釜石市内にある石炭火力発電所が仮に営業を取りやめるとしたらどうなるのかというときに、地域経済の影響は非常に大きいと。当該火力発電所の長期安定的な操業を一貫して望んできたので、今後とも情報収集に努めるという答弁がありました。電力は産業の発展に非常に不可欠なものでありまして、電力が安定的に供給される便益というのがもっと適切に評価されるべきだと思うんですよ。釜石市において企業誘致や、これからのICT産業には電気が大きなウエートが占めるはずであります。しかし、太陽光発電というのは、その電気の質、それから安定供給の面において、ICTには非常に不向きな電源とされております。だから火力発電は非常に重要なものだと私は思っているんです。火力発電を有する釜石というのは、そういう意味では大きなアドバンテージを持っていると思うんですよ。だから、今後とも情報収集に努めなんてのんきなことを言っていないで、もうちょっと火力発電は死守するんだという方法で市政運営をすべきだと思うんですけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部付課長。 ◎産業振興部付課長[企業立地担当](菊池俊彦君) お答えいたします。 火力発電につきましては、安定供給性あるいは運転コストが比較的低廉で、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する極めて重要な役割を果たしているというふうに認識してございます。この施設を有することにつきましては、道路や港湾の社会インフラに加えて、企業誘致や地域産業の振興といった面においてもアドバンテージがあるというふうに認識してございます。 こういったポイントをアピールポイントにしながら、引き続き取組を進めていきたいと、このように思います。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君。 ◆5番(野田忠幸君) 趣向を変えて、市は本当にゼロカーボンで産業が成り立つと思っているんでしょうか。2050年までにゼロカーボンにした場合に、釜石市での産業は成り立つんですか。電気は間違いなく確保できるんでしょうか。これをきちんと言い切れないと、市長が表明するゼロカーボン政策は無責任だということになりますよ。 また、このゼロカーボンであるときのベースロード電源は一体何に求めているんでしょうか。太陽光とか風力発電をベースロード電源とすると、必ずそのバックアップ電源が必要ですよね。これはどう考えているんでしょうか。 もう一つ、今日はちょっと電気が多く必要だというときに発電する必要がありますよね。そういう機動的電源というのは何に求めているんでしょうか。お答え願います。 ○議長(木村琳藏君) ゼロカーボンシティ推進室長。 ◎国際港湾産業課ゼロカーボンシティ推進室長(川崎文則君) それではお答えいたします。 当市の将来の再生可能エネルギー導入ポテンシャルに関しては、太陽光ですとか、陸上風力、バイオマス等の発電が今後さらに高まっていくものというふうに考えておりまして、これらを積極的に導入を図ってまいりたいと考えております。あわせて、エネルギー消費量の削減ですとか、利用エネルギーの電化を総合的に進め、市民、それから事業者、行政が一丸で取り組んでいくことでゼロカーボンを実現したいというふうに考えております。 まず、ベースロード電源でございますけれども、既存の送電網の電源も含めて、それから複数の再生可能エネルギーの電源を組み合わせ、かつ蓄電池等を整備しながら、そうしたシステムを構築していって、その上でこれらの複数の再生可能エネルギーを含めた中で供給電源のベストミックスの在り方を検討しながら、併せてバックアップ電源、そして機動的電源を見いだしていきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君。 ◆5番(野田忠幸君) 今の答弁ですけれども、火力はどのように捉えていますか。もう一度教えてください。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。 ◎産業振興部長(平松福壽君) では、私のほうからお答えしたいと思います。 まず、直近の質問へのお答え、若干答弁が漏れていた部分があったと思いますので、そこの補足からなんですけれども、まずゼロカーボンで産業が成り立つのか、電源確保できるのかといったお問合せでございました。結論から申しますと、成り立たせなければならないと、そのために我々は仕事をするということでございまして、確かに厳しい環境かもしれませんけれども、それでは何もしないことと、それとも率先して対応していくことの、どちらにトータルが大きいのかと考えたときに、これは対応していくことに活路を見いだしながら、地域活性化に向けた取組を少しでも取り組んでいくべきだというふうな考え方で進めているものでございまして、ゼロカーボンで産業が成り立たないというようなことは考えないと。その中でやっていくと。これは釜石市だけじゃなくて、国全体の取組でもあると思ってございます。 電源確保できるのかということは、基本的に電気を確保するのは自治体ではございませんで、電力事業者なわけでございます。私どもが電気に関わってまいりますのは、その中で自立分散型とか、様々電気の環境が変わる中で、地域振興に資するような電気への取組があるのではないかというアプローチであって、市役所が電気屋さんになるということではないものですから、そこについては釜石市だけの自治体の力で電気を確保していくとか、ベースロードを確保していくといったことではないということをまず、御理解いただいているとは思いますけれども、その上でお尋ねになっていると思いますが、そこについてはちょっと整理をさせていただきたいと思ってございます。 あと、最後に火力の部分でございますが、これも基本的には民間事業者の設備でございます。ただ、議員さんから御案内あったとおり、これは大きなポテンシャルであり、非常に発展可能性のあるものでございまして、今の置かれた環境は厳しいですが、先ほど課長から申し上げましたとおりでCO2の削減の環境の中でやれる方法があるだろうということを事業者も必死で今検討していただいているわけでございまして、国もそれを後押ししていると。所在自治体としてこれに歩調を合わせて、一緒に考え、できることをやっていくのはこれは当然でございまして、我々はこの重要性を認識して、それが引き続き釜石市の振興発展につながっていくような取組を一緒にやっていきたいんだと、こんな基本的な考えを持ってございます。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君。 ◆5番(野田忠幸君) それでは、最後に、ゼロカーボンでベースロード電源として再生可能エネルギーはなかなか心もとないんだろうということでありますけれども、ではそれで火力もCO2削減で駄目だとなってくると、見えてくるのが原発の推進ということになるんですけれども、こういう原発の推進について、当市は原子力の排除という条例をつくってありますけれども、こういう小型モジュール型の原発が出てくることについて、市長はどのようにお考えでありますか。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 結論から言えば、これは致し方ないものではないかと思っております。私たちとしては、福島、東日本大震災で福島の原発が大きな被害を被ったということで、その経験から、できれば原子力発電というものはないほうがいいというふうには思っております。これは将来はそうあってほしいなと思うわけですが、しかしながら、先ほどのお話しのとおり電力の確保という点からすると、2050年までに二酸化炭素ゼロ、実質ゼロにすると、カーボンニュートラルを目指すという大きな国の流れの中で、まさに電力の確保の部分では、どうしてもやはり原子力に頼らざるを得ない部分があるというふうには思っております。できるだけ、もちろんこれは安全であるべきだと思っておりますので、その前提としての話でございますけれども、そういった意味では、先ほど議員がおっしゃった小型モジュール発電、これはその研究開発というのは大きな目標として、政府として掲げていくべきものだというふうに私は思っております。結論から言えばそういうことになると思います。 ○議長(木村琳藏君) 5番野田忠幸君の一般質問を終わります。 2時10分まで暫時休憩をいたします。               午後2時2分休憩---------------------------------------               午後2時10分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 次に、9番遠藤幸徳君、登壇願います。  〔9番遠藤幸徳君登壇〕 ◆9番(遠藤幸徳君) 清和クラブの遠藤幸徳です。 まず、この3月で公務員を卒業する職員の皆さん、長い間、大変お疲れさまです。コロナが収束しているわけではありませんが、皆さん方の大きな力がこの庁舎からいなくなるということは一抹の不安を感じます。それでも皆さんが育ててきた後輩の皆さんがきっとカバーしてくれるものだろうと思います。こうした長年にわたる御貢献に対しまして、本当に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。どうぞ皆さんにおかれましては、またこれから別の日常の生活のリズム、舞台が変わっていかれると思いますが、十分に体調、健康に気をつけて、そして御活躍願いたいと思います。たまにはОBとして、市政の発展に違った立場から御支援願いたいと思います。ありがとうございます。 質問に入ります。まず、水産行政について触れてみたいと思います。 間もなく東日本大震災から11年になります。あの壊滅的被害も国の復興事業により漁業インフラもほぼ完了いたしました。しかし、震災を契機に、漁業者の廃業、離職、事業規模の縮小等が際立つようになりました。大きな要因は、地球温暖化による海水温上昇が起因とするところの漁場環境の変化、それに伴う漁獲量の激減があります。特に秋サケの回帰率の急落、サンマ漁の不漁、そして前浜のスルメイカ漁の不漁があります。養殖漁業においても養殖ワカメ、ホタテ養殖等においても漁場環境の変化によるものと思われる成育障害による水揚げ不振が目立つようになりました。また、磯漁業においても、磯焼けの拡大が著しく、アワビ漁においてもウニ漁においても浜をにぎわす大きな声は年々小さくなっていく状況です。特に秋サケの回帰が激減し鮭人工ふ化場の事業の存続が危惧されています。そんな話題が関係者からも出ております。 そんな状況下、岩手県においてもサケマス海面養殖事業の本格的事業推進が展開され始めました。当市より先行し、久慈、宮古、大槌等の地区において、ギンザケ、トラウトサーモンの養殖事業がスタートしました。 当市においても一昨年からサクラマスの養殖事業に向けた実証試験が開催されております。岩手県、岩手大学、水産会社、漁協等の産学官連携コンソーシアムで実施されてきました。事業期間は令和2年度から令和5年度の3期とされており、昨年は第1期事業が終了いたしました。11月に1万2000尾の稚魚を搬入し6月に7800匹の販売実績が報告されております。当初計画の平均サイズを上回る実績との報告もありました。一方、先行している久慈市、宮古市、大槌町においても、それぞれ独自の飼育ノウハウを用い、それぞれの成果を上げ、事業化を目指し商品の差別化を模索しているようでございます。特に海面養殖に不可欠な公有水面、すなわち漁業権免許が特例的に取得されております。当市においても同様の課題が考えられます。今後の釜石市の水産業の期待のまなざしを受けた事業であるサクラマス海面養殖事業化に向けたベクトルを示すべきと思いますが、そこでお伺いいたします。 サクラマスの海面養殖事業の試験事業から得た課題、問題についても御所見をお聞かせ願いたいと思います。 また、サクラマスの事業化に向けた展望と課題についても併せて御所見をお伺いいたします。 次に、文化行政についてお伺いいたします。 釜石市が保有する美術品の保管管理の活用についてお伺いいたします。 釜石市の文化の発信拠点である釜石市民ホールTETTOであります。TETTOの事業活動で多くの市民が参加する行事は、毎年11月に開催される釜石市民芸術文化祭があります。昨年もコロナ禍の折実施され、日頃の趣味の活動の写真、絵画、舞踊、民謡等の発表の場として文化の高揚に努めておりました。 絵画等も多数展示されておりましたが、その中に市民から釜石市に寄贈された油絵が2点あり、皆さんの注目を集めておりました。また、同じ並びに釜石市が所有する絵画が2点展示されておりました。大変すばらしい作品でありましたが、作品名や作者等の表示がされておらず、消化不良を感じました。釜石市が所有する絵画や工芸品が数多く存在すると思います。その中の釜石市が所有する美術品や工芸品を公開することは大変すばらしいことと思います。 そこで質問します。市役所や学校等の公共施設には寄贈された絵画や工芸品を目にしますが、決算の財産に関する調書には絵画5点となっております。そのほか数多くの絵画を見受けられますが、市の物品に登録する美術品の基準についてお伺いいたします。 また、市や学校、公共施設で管理している美術品の数と保管状況についてお伺いいたします。 以上をもって壇上よりの質問終わります。ありがとうございます。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 遠藤議員の御質問にお答えをいたします。 サクラマスの養殖試験事業の成果と今後の展望についての御質問でございます。 国の水産白書によりますと、日本の漁業・養殖業の生産量は、昭和59年の1282万トンをピークに、平成28年には436万トン、令和2年には423万トンに減少していることが報告されております。岩手県におきましても漁業生産量は減少傾向が続いており、岩手県水産業の指標によりますと、サンマやイワシ、イカなどの海面漁業と、ワカメやコンブなどの海面養殖業を合わせた岩手県全体の漁業生産量は、東日本大震災前の平成22年が18万7850トン、平成27年には15万1506トン、最新データである令和元年が12万2344トンで、ここ数年12万トン前後で推移している状況でございます。当市水産業の主力魚種である秋サケにつきましても、定置などの沿岸漁獲と河川を合わせた県全体の漁獲量は、平成8年の7万3526トンをピークに、平成18年が2万8422トン、令和元年が2287トン、令和2年が1734トン、最新データである令和4年1月末が413トンと大きく減少しております。 こうした水産資源の減少により、近年、計画的な生産が期待できる魚類養殖事業が注目され、事業化に向けた可能性検証のための試験研究が国内の複数の地域で動き出しております。県内におきましても、令和元年度から久慈市でギンザケ、宮古市ではトラウトサーモン、大槌町でギンザケ及びトラウトサーモンの海面養殖試験研究が実施されており、宮古市ではホシガレイの陸上養殖試験も実施されております。 こうした中で当市におきましては、令和2年10月、岩手大学三陸水産研究センター及び関係事業者とのコンソーシアムを立ち上げ、令和2年度から令和5年度までの期間を3事業期とする、サクラマス海面養殖試験研究事業を展開しております。第1事業期は、釜石湾の湾口防波堤北防波堤の内側に設置した1基の円形生けすで、令和2年11月から約1万2000尾のサクラマスの稚魚の飼育を開始し、令和3年6月に約7800尾を釜石市魚市場に水揚げをしたところでございます。水揚げされたサクラマスは、肉質や味などの食味に関する官能試験の結果、食感や後味、脂の乗り具合がほど良く、舌触りが滑らかでおいしいとの意見が多く、刺身や焼き魚としての一定の品質や安心・安全など総じて評価が高く、消費市場が求める養殖魚として期待できる成果が得られたものと考えております。 当市の基幹的な産業である水産業が、競争力と魅力のある産業として地域経済を牽引する役割を果たしていくためには、水産業を持続可能な産業構造としていくことが重要であります。したがいまして、今後さらに岩手大学三陸水産研究センターをはじめ関係機関及び事業者と連携しながら、つくり育てる漁業の中核となる養殖試験研究事業への取組を強化し、市場性が高く安定した生産体制の実現を図ってまいります。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 総務企画部長。  〔総務企画部長佐々木勝君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 私からは、文化行政についての御質問にお答えします。 まず、市の物品に登録する美術品の基準についての御質問ですが、物品の取得、管理及び処分に関し必要な事項につきましては、釜石市物品管理規則で定められており、耐用年数1年以上で、かつ、取得時の価格が1万円以上のものは備品としてそれぞれの所管課が管理し、そのうち美術工芸品は、取得時の価格に関わらず備品として登録することとなっております。また、取得時の価格が50万円以上の備品については、重要物品として管理することとされており、ここに分類される美術工芸品が決算書の財産に関する調書に計上されることになります。 なお、寄贈等取得時の基準につきましては、その理由が当市の事業に関連していること、または、作者や寄贈者が当市にゆかりがあることを原則としておりますが、明確な基準はありません。 次に、公共施設で管理している美術工芸品の数と保管状況についての御質問ですが、令和4年3月1日現在で備品管理台帳に登録されている美術工芸品は、絵画やブロンズ像など23点となっており、庁舎や市民ホール等公共施設で展示しているほか、それぞれの所管課が倉庫等に保管しております。しかし、登録されている絵画等には、著名な作品・作者等ではなく、地域住民が文化活動等で作成、寄贈した作品や、作者不詳として整理されている作品などが含まれており、所管課が保管しているもののその詳細が不明のため、台帳に登録されていない絵画等も存在しているのが実情で、保管状態につきましても湿度や温度管理がされていない場所に保管されています。 なお、今年度は、各所管課が管理する美術工芸品について、改めて整理することとし、取りまとめ作業を進めているところであり、現時点で判明している美術工芸品の数は110点となっております。 今後は、これらの作品について、その種類や規格、保存状態や保管場所などとともに、写真を掲載した個別台帳、カタログ形式の一覧表の作成を進めてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、サクラマス養殖試験事業から得た課題などについてお答えします。 サクラマス海面養殖試験研究事業の第1事業期におきましては、令和2年11月から稚魚の飼育を開始し、生けす付近の水質や海底の底質調査など湾内の漁場環境に関するモニタリング調査や、成長や肉質の変化など湾内での生育をサンプリング調査で状況把握に努めながら、令和3年6月に水揚げを行っております。当初の計画では、4月から7月の期間に出荷される養殖のギンザケや養殖トラウトサーモンとの差別化を図るため、釜石産養殖サクラマスの出荷時期を7月以降に設定しておりましたが、想定より成熟が早く進行したことから6月に水揚げを行ったもので、釜石湾の環境が海面養殖に適していることが確認できたものと捉えております。 また、計画では約8800尾の水揚げを見込んでおりましたが、稚魚を運搬後、数日程度で淡水飼育から海水飼育に慣れさせる馴致方法の影響から約7800尾、生残率は約65%にとどまり、海水馴致方法の改善の必要性も確認できたものと考えております。第1事業期で得られた結果と課題を踏まえて、昨年11月からの第2事業期では、約2万尾の稚魚の飼育を同じ生けすで開始しております。第2事業期では、第1事業期を上回る生残率の実現を目指し、生けすの底面を改良して、へい死尾数の確実な把握に努め、へい死の原因や経過を調査研究しながら計画的な水揚げ・出荷を行うこととしております。 また、モニタリング調査から成熟度など適正な出荷時期を把握するとともに、適正なタイミングで市内の仲買人や飲食店向けの試食会やアンケートによる市場調査を実施し、新たな商品の開発を目指すなど、生産、加工、販売及び流通の各分野が連携しながら、競争力ある流通構造の構築に取り組むこととしております。 魚類養殖に適した育種改良が進められているギンザケやトラウトサーモンは、養殖用の稚魚の生産体制が一定程度確立しつつありますが、養殖の事業化例が少ないサクラマスは、安定した稚魚の生産体制の確保などが求められる状況にあります。このため、試験研究事業終了後の安定的な養殖生産による事業化に向け、養殖試験研究と並行して養殖に適したサクラマスの育種開発試験も予定しているほか、現在、コンソーシアムにおいて漁業権取得に向けた協議検討を重ねながら、早期事業化を見据えた取組を進めております。 今後とも、関係機関及び事業者との連携を深め、養殖試験事業の円滑な推進に努めてまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 時間がありますので質問させていただきます。 まず、水産行政について、そのサクラマスについてお伺いします。 ざっくりした報告はありましたけれども、事業報告、もう少し詳しく報告してほしいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 事業報告についてお答えいたします。 今、答弁申し上げましたとおり第1事業期となるのが昨年度の取組でございまして、令和2年11月から釜石港湾口防波堤の内側に直径が20メートルで深さ約10メートルの円形の生けす1基、そちらに約1万2000尾の稚魚の養殖を開始したところであります。 令和3年の2月、5月、6月にサンプリング調査による成長の度合いや肉質の変化など、具体的な状況を確認しまして、湾内の成育の状況を把握しながら令和3年6月に約7800尾を釜石市魚市場に水揚げ、出荷しております。当初の計画では、出荷時期が7月を予定しておりましたけれども、成熟が非常に早く進みまして、1か月ほど早く早期出荷する結果となってございます。 試験の結果としまして、釜石湾の海面養殖の可能性というものを確認できたものと考えております。官能試験でも非常に評価がよくて、消費市場でのサクラマスの塩焼きでありますとか、刺身など求める養殖魚として期待できる結果が出たのではないかなというふうに捉えているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) それは市長から報告があったような答弁だと思いますけれども、私が聞きたいのは、給餌の方法とか、例えば給餌を1日に何回やったのか、そういった具体的な現場に即した答弁が欲しかったわけでございますが、時間もいっぱいかかりますので次に入ります。 答弁で、1期で1万尾、計画では1万尾、それの1万2000尾を飼育したということですが、第2期において2万尾を計画し実施しているわけでございますが、1万尾の事業評価をどのように捉えて2万尾に増やしたのか。それから、ちょっと気になるのは、第1期の市の負担が800万、今年度も800万、同じ事業なら分かりますけれども、稚魚の尾数が倍になっているのに800万で間に合ったのかどうか、そういった部分についての答弁を願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 第2事業期において2万尾に増量したのはなぜかという御質問かと思います。 ねらいとしましては、将来の事業化を見据えた視点としまして、大きく2つあるものと捉えております。 まず1つは、稚魚を増やすことで成長の度合いや生残率がどのように変化するか、そういった視点から事業化に向けた適正な飼育尾数を把握してまいりたいというような考えがございます。 もう1点、2つ目ですけれども、海面養殖業新魚とした種苗の生産の技術開発を検討してまいりたいというような考えがございます。将来的に釜石産の種苗を確保しながら、安定的な生産につなげていくために、やはり新魚の確保、種苗生産、こういった視点は非常に重要と認識しておりまして、そういったところを重視しながら検証を行うこととしております。釜石産の種苗生産可能になりますと、全体の経費の削減にもつながりますし、地域の独自性の発揮にもつながるものと考えているところでございます。 もう1点、2万尾に増やした状況において、その予算額の変化という御質問でございましたが、岩手大学との共同研究契約に基づきまして、コンソーシアムのほうで契約しているわけですが、水質調査費用のほか、育種開発の経費など、海面養殖試験研究事業、そういった視点で支援することとしております。同様に種苗や餌、生けすなどの直接的な試験研究経費は、コンソーシアムに参画する事業者が負担することとしておりまして、尾数を増やすことに伴う出荷販売代金などの増額を見込みながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 予算が伴うものだから、私はそういったものの意味において事業報告が必要だと感じているもので質問したわけでございますが、関係団体が何社か入りますので答弁できない部分もあるんだろうけど、私はその辺が、やはり今後もうかる事業なのかどうなのか、そういったことについても触れていく部分なんだろうと思いますので、機会があったらその辺についても事業報告お願いしたいと思います。 それで、今度は漁場環境でございますが、モニタリングして釜石湾の内側の今の場所を決めたということでございますが、そのほかに漁場調査、当然、この事業は皆さんが注目しているわけでございます。唐丹湾であれ、大槌湾であれ、そういった漁場のモニタリングはしたのかどうか、その辺についてお聞かせ願います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 今の議員おっしゃるように各漁協単位の湾ごとの管内の漁協それぞれの漁場調査でありますとか、漁場環境調査というものは第1事業期においては実施しておりません。第1事業期の取組で水質、底質の調査など、湾内の漁場環境に関するモニタリング調査につきましては、毎月実施しておりまして、第2事業期におきましても同様に毎月行ってまいりたいというふうに考えております。 蓄積したデータにつきましては、事業化に向けた漁場の検討の際に活用してまいりたいと考えております。 今後、第2事業期をする中で、さらに事業化に向かうわけですけれども、その事業化に向かう中で違う湾でありますとか、そういった調査については検討していく項目の1つとなってございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 事業化に向けた取組ということでございますが、事業化に向けた場合、例えばそれぞれの漁場には漁業権というのは設定されておりますので、その辺の漁協の持っている漁業権、ふ化漁業権、共同漁業権、そういったものがあるわけでございますが、そういったものの絡みがあるんでございますが、事業化に向けたベクトル、対象者は誰なのか、例えば漁業者なのか、漁協なのか、水産会社なのか、そのほかの別な水産組合なのか、法人なのか、そういったことについてはどのような方向で向かっているのかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 まず、1点目に御質問がございました漁業権の関係ですが、まさに漁業権、これはとても重要になってまいりまして、現在、早期事業化を見据えながら検討しているわけですけれども、空き漁場の活用が有効ではないかというふうに考えておりまして、そういった視点については県などと情報共有を図りながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 もう1点、事業をする場合の事業になる主体、経営体という御質問かと思います。古くからサケ、サーモンなど海面養殖に取り組んでいる宮城などは先進地として有名でして、他地域の状況を見ますと、経営体は漁協や事業を展開している地元の水産会社あるいは生産組合、個人経営体のほか、飼料会社、大手水産会社などがあるものと認識してございます。各地域で様々な経営体により養殖生産を行っておりますけれども、飼料や稚魚の共同調達など、緩やかな協業体制を組んで取り組んでいる例もあるというふうに認識してございます。 現在、市で取り組んでおります試験養殖事業は、コンソーシアムに参画してございます地元の水産会社と釜石湾漁協が連携しながら事業化を図ることで今取り組んでいるところでございまして、生けすを設置するなど、生産者の拡大には漁業権取得、当然必要ですので、その辺も重要となりますので、共用化されながら第3期が終了しまして、確実な事業化に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 私はその事業化に向けたときに、この事業が誰のためにやるのか。例えば私は、ずっと漁協にいて、漁業者の目から私は申しますと、漁協が主体になって、そういった部分でもって実行できればいいなとは思うわけでございますが、ただ、なかなか今の漁協の体質であれば、経済的に大変足元がぐらついているわけで、資金面でもなかなか不安な状況であります。そういったときに、漁協が取り組む熱意というのはどの程度あったのか、それについては協議したことがあるのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 御質問にお答えいたします。 まさに漁協の協力は必須でございまして、今回の第2事業期に入りましても、第1事業期に引き続き漁協との協議、検討を繰り返しながら取り組んでおります。当然コンソーシアムに地元の水産会社が入っておりますので、そういった方々とも議論を重ねながら取り組んでいるところで、今後は先ほど申しましたようにほかの湾でも展開できるように検討はしてまいりたいと考えておりますので、引き続き漁協の協力をいただきながら進んでいきたいと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) さっき言いましたとおり、今の漁協の経済状況からいったらなかなか厳しいものだと思います。なかなか新たな事業を展開するということは、そのときに例えば資金調達のためにファンドやそういったものを立ち上げることも視野に入ってくるんだろうと思います。それで、その中で当初の初期投資がどれくらいかかるのか、そういった部分についてはまだ今の事業の中ではなかなか、どこの業者も説明はしてくれませんが、例えば今の20メートルの、直径20メートル、あの生けすで適正なのか、その中でどれぐらいのものが飼育したら採算性に合うのかどうか、そういったことがやはり懸念されてくるわけでございます。 それで、事業規模、それから採算性、そういったものはどのように捉えて取り組んでいるのか、その辺については事業計画もあるんだろうが、その辺について答弁できるものがあれば教えてほしいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 今、計画上にあります事業規模ですけれども、コンソーシアムでは将来的に事業化を見据えたときに、現在の生けす1基当たりの稚魚の投入数、約3万から4万尾を考えているところでございます。生けす2基で約6万から8万尾、このぐらいの生産体制の規模が採算面から必要ではないかというふうに捉えているところでございます。 第2事業期から行う海面養殖事業を新魚として種苗生産、技術開発も検証してまいりたいと考えておりますので、そういった視点が安定してまいりますと、生残率を高めるものにもつながってまいりますので、事業化した際にはある程度規模的に市場にとって出せるような優位な状況にはなるんじゃないかなというふうに考えているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 事業規模、採算性をいったときに、やはり市場がどういった形で求めているのか、その辺についても今後の課題になると思いますが、市場の、例えば供給する尾数が増えれば当然単価も下がってくるだろうし、今やっているのは業者が少ないから、採算が合うベースはこれぐらいだという部分はあるんだろうけれども、その辺についても今後十分に検討し、漁業者が地元でやれるような試算も出してほしいと思います。 それで、先ほどから種苗のことについても触れておりますが、飼育に一番大事なのは種苗、元気な種苗が事業を左右すると言われておりますし、それで成育過程でもっと大事なのは餌です。餌がどのような形で供給されるか、そういったものが、例えば今持って来ている200グラムの稚魚、稚魚といいますか、200グラムですから、ヤマメですともう食べられる状況の魚でございますが、それが1.5キロまで増えたわけでございます。だから200グラムの稚魚と言われるものが1.5キロまで増える間の餌の量というのが、やはり事業の中で大きな役割を、事業費にも係る部分ですが、これが重要なものだと思います。その辺についてはどうなんでしょう。試験研究の中で結果として出ている部分があるんでしょうか。その辺についてお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 餌の確保という視点の御質問かと思います。現在取り組んでおります養殖事業で使っております餌ですけれども、水産系の大手企業さんが生産しております餌を使用してございます。この餌につきましては、他地域でも同様に使われております餌でして、餌も様々、いろんなメーカーがありますけれども、一般的に言われますのは、西日本などで多く生産されておりますブリやマダイなど、養殖が盛んな魚種については、それに特化した専用の餌が存在しているというふうに伺ってございます。現時点では、サクラマス専用の餌というものはございませんけれども、水産系大手会社さんがつくっている餌を使っているところでございます。 今後、全国各地で養殖事業、サケ、サクラマスなど事業展開がどんどん増えていきますと、将来的には餌も改良がされまして、それに適した餌というものが商品化されるのではないかなというふうに考えているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 質問に答えていない部分がありますけれども、やっぱり事業に餌の量が、餌の経費というのが、例えば魚類の養殖の中で、サクラマスではございませんが、いろんな魚類養殖あるわけでございますが、その中で6割から7割、場合によっては8割の餌の経費が事業費の割合を占めるということが言われております。ですから、餌の確保、そういったことが重要になるもので、釜石市のサクラマスの試験事業の中で、200グラムの魚が1.5キロに増えるまでの餌の量というのはどれぐらいなのか、そういったことも試算の対象になるんだろうと私は思います。 機会あればこれについても後で答弁願いたいと思います。 それで、事業の中でやっぱり大きく左右する、さっきも言いましたが稚魚、健全な稚魚が事業を左右すると言われております。そこで、地元で稚魚が、種苗が生産することができれば、大変これはすばらしいことだと思います。その辺について、一貫性、そういった稚魚を生産し、それで成魚を海でもって成育する、そういった可能性については、今の試験事業の中でどのように捉えているのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) お答えいたします。 先ほどの餌は大変失礼いたしました。議員おっしゃるように大体6割程度を見込みながら取組を進めているところでございます。 その稚魚の件ですけれども、まさに稚魚の確保というのが全体事業費の圧縮につながる流れができるものと認識してございまして、今現在、コンソーシアムメンバーの中の地元の水産会社さんが内陸部の場所を確保に向け動いておりまして、そこで稚魚を生産しながら釜石産のサクラマス海面養殖というものに取り組んでまいりたいというふうに考えておりまして、そこだけでは今後事業化に向かうときには稚魚生産、不足も生じますので、その辺はコンソーシアムのメンバーでも協議はしておりますので、第3事業期を迎えるに当たって、今後、次年度からその辺の視点も踏まえて協議しながら可能性を探っていきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 私はなぜ稚魚のことに触れたかというと、今、釜石にはサケの人工ふ化場が3か所あるわけでございますが、そのサケの回帰がなされなかったもので、今現状、例えば片岸川で取れたサケが1000本足らず、釜石湾もその辺、それで今、ふ化している卵の数も微々たるものでございます。4年後、今日の新聞にも何か、令和28年までには3万トンの計画を岩手県ではしているようですが、なかなかそれまでには難しいと思います。人工ふ化場の利用、そういったことも視野に入れば、そういったこともサクラマスの稚魚の生産に寄与するものと思いますが、その辺について、利用できるのか、できないのか、その辺についてどう捉えているのかお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 既存のふ化場の活用について御提言をいただきましてありがとうございます。議員おっしゃるようにふ化場につきましては、一般社団法人の岩手県さけ・ます増殖協会、こちらが国の補助金を活用しながら県内のふ化場施設を整備しているものと認識しております。こういった国の補助が入っておりますと、ある程度の目的が示されながら整備がされておりまして、現時点においては様々な魚種の稚魚の養殖などという取組はなかなか厳しい状況にあるというふうに認識してございます。その中、県内でも様々な地域でそういった、今後将来に向けた稚魚の確保などの活用性の可能性についての声が出ておりまして、水産庁のほうともいろいろと協議がされているというふうに伺っております。 将来的には、そういった既存の施設を活用しながら、種苗の生産をしながら海面養殖で魚を養殖し、消費市場に出荷していければいいなというふうに考えているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 今、サケの人工ふ化場についても触れましたけれども、今、釜石市におけるサケの人工ふ化場は、もう本当、閉鎖してもいいような状態でおるわけでございます。私は釜石のみならず岩手県のふ化場というのは、やはり原点に立ち返ってもう少し集約して元気な稚魚の生産に努めるべきだと思っているわけでございますが、これはサクラマスとは直接関係ないかもしれませんが、また目的外使用の話も出ておりますが、ただ、釜石のサケ事業を考えたときに、そういった集約も結構必要になってくると思いますし、その辺についても強い指導を願いたいと思いますが、これは答弁は要りませんけれども。 それで、私の漁業に対する思いについて、ちょっと市長にお尋ねしたいと思いますが、私は子供の頃はここに育って、例えば前浜にはスルメイカのイカ釣りの漁火が見え、秋になればサンマが揚がってきて、それで秋サケ、我々は言うんですが、西風が吹けば海岸にサケが飛び跳ねる、そういったことが当たり前のように見えてきたわけでございます。それが震災後、それが当たり前じゃなくなったわけでございます。岩手県の計画では28年には3万トン計画を打ち上げておりますが、しかしそれまでは漁業者は待てないわけでございます。生き延びるためにも、やはり漁業者が漁業者らしく生きていくためには、釜石の漁業も、漁業形態も、漁業種類も変わっていかなければならないと私は思うんです。そういった時期に来ているんじゃないかと私は思いますが、市長、その点について考えがあればお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 議員の思いは重いものがあると思います。私も一応、釜石出身ですので浜には強い思いがありますけれども、議員おっしゃっているとおり、特にこの東日本大震災以降、急激に防波堤とか防潮堤、あるいは道路網が整備されて、前とは全然違う風景の中で皆さん生活されるようになったというふうに思っております。当然、魚種の形態も変わってきているという中で、今後の漁業の在り方というのは大きなテーマであることは、議員おっしゃるとおりだし、また釜石市としても大きなテーマとして捉えていかなければならないと思っております。 震災のときもそうだったんですけれども、1つは大きなテーマとして、職住分離という考え方が当時出ました。漁村に住んでいる方々が安全なところに住んで、そして漁場のほうには、浜のほうには車で出勤する、会社に勤めるのと同じような形で生活できる、あるいはしたほうがいいのではないかという意見があったんですが、最終的には、そこに住んでいた方々がそのままそこに住んでいけるようにしようということで、今のように21地区はそれぞれの被災地域の復旧復興という形で進めてまいりました。結果、前と同じような場所に皆さん住んでいただけるようになったんですが、残念ながら後継者がどんどん減少していく中で、漁業の在り方が非常に難しくなってきたということが言えるかと思います。 何を言いたいかというと、今までの私たちが思っている魚のまちというのは、漁村あるいはまた漁村集落、これと漁業というなりわいが一体的に、そこで生活して、そこで漁業を営むと、こういう形態の中で、先ほど議員がおっしゃったような思いと、その地域に対する思いというものが深まってきたのだろうと思っております。 今後、いわゆる漁村というものの在り方が非常に変化していく中で、それと一体となって漁業の在り方というものを考えていかなければならないのではないかと思っております。今、急に何かを変えるというのはなかなか難しい問題があります。これは一番議員が御存じのとおりだと思いますが、ただ、今まではどちらかというと漁協とか、あるいは水産加工業とか、そういったところに目を向けてきたような気がいたしますが、これからは漁業者一人一人に目を向けた漁業の在り方、水産業の在り方、そしてまた魚のまち釜石の在り方、こういったところにぜひ力を入れていきたいと、こう思っております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) ありがとうございます。 では、文化行政についてお伺いいたします。 答弁の中で美術工芸品が110点あるということが確認されている。これは報告がありましたけれども、この管理状況も決していいわけじゃないという、そんな答弁でございましたが、その110点については、これは棚卸しされたんでしょうか。その点についてお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 資産管理課長。 ◎資産管理課長(千葉博之君) 棚卸しの状況かと思いますが、まさに今、各所管課において所管している絵について整理してもらっているところでございます。今時点で資産管理課のほうに報告が上がったものが今110点という中身になっております。ただ、その中で作者であったり、作品名であったり、また取得額等についても把握できていない絵が多数存在しているというような状況になっておりますので、出てきた報告内容について、これから整理した上で分からないものを調べるなど、明らかにできるものは明らかにしていきたいというふうに考えています。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) それで、決算書に載っている5点について、これは少なくともしっかりしているんだと思いますが、その辺についての明細な報告を願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 資産管理課長。 ◎資産管理課長(千葉博之君) 決算書に載っている5点についてでございますが、答弁でもお話ししたとおり重要物品として登録されているものを報告したものでございます。 中身については、例えば浜名茂夫さんがお描きになった「工場のあるまち」という名目で190万円の取得額、あと松田郷人さんがお描きになった「待春図」とタイトルがついたものが840万円、その他3点ほどあって、合わせた金額が決算書に載っているという状況になっております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) そのほかにもやはり見るところによりますと、立派なものが無造作に飾られたり、その辺に置かれたりしているような気がしますが、この辺については十分適切な管理をお願いしたいと思います。 それで、私、質問の中で触れましたけれども、寄贈された作品があった、それが2点展示された、そういったことを言いましたけれども、寄贈されるのはいいんですけれども、寄贈を受ける側の基準というものがないということでございますが、それの基準がないと、やはり今後、管理の中で大変苦労するんじゃないかと思いますが、その辺について、受ける基準、それから例えば、ぼろぼろになったときに、それを廃棄する基準、そういったものをきっちり定めるべきと思いますが、その辺について。 ○議長(木村琳藏君) 資産管理課長。 ◎資産管理課長(千葉博之君) 寄贈を受ける基準、また処分する基準ということでございますが、答弁でもお話ししたとおり、今回改めて整理していく中で、そもそも管理台帳に登録されていないというものも明らかになってきておりますので、それらについて整理した上で、詳細が分からないものについてもインターネット等で情報収集するなどして、作品名とか作者、あと可能な限り取得額についても把握した上で、あと一方では、市民の文化活動の中で応援センターに寄贈された絵画とか、金額の把握できないとか、つけようのないものとかもございますので、その辺をどういうふうに登録していくかという部分と、あとは原則、市にゆかりのある方の作品だったり、事業に関連するものを寄附いただくというようなことで動いてはいるものの、まだ明確な基準は示しておりませんので、改めて関係課とその中身について具体的に検討した上で決めていければなというふうに考えております。 処分についても同様に、金額で判断するのか、中身で判断するのかというところも含めて、関係課と話をしていきたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君。 ◆9番(遠藤幸徳君) 先ほど決算書に載っている作品5点について、1点、浜名先生の190万、松田先生の840万、そういったものが示されましたけれども、そういった価値のものがあるので、やはり保険にも掛けておく必要があろうかと思います。その辺については今後協議願いたいと思います。 それで、釜石がかつて文化の高いまちだと私は思っていましたし、皆さんもそのように内陸の人々は思っていたようでございます。そこで、釜石にゆかりのある文化人、芸術家、そういったものがたくさんおるわけでございますが、例えば音楽の大瀧詠一さん、中学、高校時代は釜石で生活した人がおりますし、この頃はいろんな色彩でもって脚光を浴びている小林覚さん、そういった方々がおるわけでございます。例えば大瀧詠一さんの曲なんかは、奥州市でもって請願し、水沢江刺駅の新幹線の発着のメロディーに使っております。それなりにやっぱり、皆さん大変喜んでおるようでございます。 そういった意味合いでもって、例えば釜石市の今、時報でもって市民歌が流れておりますが、例えばそれを夕方に大瀧詠一さんの曲を流すのも一つの釜石のイメージアップにつながるものだと私は思うわけでございます。それから、小林覚さんについては、各誌でもって取り上げられ、三鉄でも取り上げられているわけでございます。新庁舎ができたときには、ぜひそういった作品なり、そういったデザインを庁舎の壁の中にやっぱり掲示するのも、新たな釜石のイメージづくりだと思いますが、その辺について答弁お願いします。 ○議長(木村琳藏君) 文化振興課長。 ◎文化振興課長(藤井充彦君) 釜石の文化人、そういうものを作品を使っての釜石のアピールとか、そういう発信という部分での御質問かと思います。当市にゆかりのある、先ほど申し上げました大瀧詠一さん、あんべ光俊さんだったり、芸術家の方のすばらしい作品、その芸術の力を使って、当市のアピールだったりとか、魅力の向上あるいは地域の活性化、広く言えば多分シティプロモーションとかという考えにもなってくると思うんですけれども、そういう部分でどういう取組ができるか、どういうことが可能なのかという部分については、いろいろ関係する方々と協議をしなければならないというふうに思っていますし、その実現性とか、実施の可能性について、様々な観点から探っていく必要があるものかと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 新庁舎建設推進室長。 ◎資産管理課新市庁舎建設推進室長(藤井圭一君) 御寄贈を受けた絵画の展示につきましては、新しい庁舎へということでございます。その新しい庁舎建設に際しまして、実は改めて絵画を飾ってほしい、そして来庁された市民の皆様が楽しく、心安らぐように使っていただきたいというお話も、実は度々頂戴しております。 そうした中で今の設計上でいきますと、みんなのホールという形で1階東側のほうに多目的ホールを設けて、そちらに展示するという形でありましたり、あるいは各階の共用スペースである廊下の壁、こちらのほうを活用して、できる限り皆様の目に触れるような形で展示させていただきたいと、このような今計画でおります。 以上でございます。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君、残2分でございます。 ◆9番(遠藤幸徳君) 小林覚さんの作品については触れていなかったけど、ぜひお願いしたいと思います。 それから、新しい庁舎には、本当に釜石にはそういった展示する施設があまり多くありませんので、釜石の新庁舎にはそういったコーナーをぜひ設けてほしいと思います。 以上です。 ○議長(木村琳藏君) 答弁よろしいですか。 新庁舎建設推進室長。 ◎資産管理課新市庁舎建設推進室長(藤井圭一君) 大変失礼いたしました。 小林覚さん、新たに釜石の著名な作家ということで、今御活躍されております。そういった方々、関係者が市役所関係にもおりますので、ぜひ御相談させていただきながら、新しい庁舎でということで検討させていただきたいと思います。 いずれお話しのとおり、美術館とかそういった場が本当に釜石にないところでございますので、ぜひそういう行政手続だけじゃなくて、そういった場所としても新庁舎を活用してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(木村琳藏君) 9番遠藤幸徳君の一般質問を終わります。 3時40分まで暫時休憩をいたします。               午後3時10分休憩---------------------------------------               午後3時40分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 14番山崎長栄君、登壇願います。  〔14番山崎長栄君登壇〕 ◆14番(山崎長栄君) 市長の施政方針演述の中から2点についてお伺いをいたしたいと存じます。 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。 演述では、感染症の影響が長期化し、地域の産業経済活動の停滞が深刻さを増しておりますことから、引き続き国・県・関係機関と連携をしながら、効果的な事業者支援に努め、地域の産業経済活動の回復に取り組んでまいりますと述べられております。新型コロナウイルス感染症は演述のとおり収束する気配はいまだ見えず、感染の拡大は社会のシステムや国民生活に重大な影響を及ぼしてきております。 そこで、国・県・市当局は感染症によって生活や事業に深刻な影響を受けた方々を支援し、地域経済や住民の暮らしを守るために様々な支援策を講じてきています。安定した仕事を得たいひとり親世帯には高等職業訓練促進給付金、介護・障がい福祉分野の就職を支援するための介護訓練終了者への返済免除付就職支援金貸付制度、給付金を受給しながら職業訓練を受給する求職者支援制度、雇用保険を受給できない方への求職者支援制度、小学校休業等対応助成金・支援金、トライアル雇用助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、産業雇用安定助成金、雇用調整助成金、がんばろう!商店街事業、地域観光事業支援、子育て世帯への臨時特別給付、事業復活支援金の支給金などなどであります。 それらの各種支援策は2月18日時点において、制度の具体的な内容や条件について検討中の制度も含めますと34もの支援策が用意されています。 そこで、市当局は国の支援策及び岩手県、市における感染症対策の各種支援制度を新型コロナウイルス感染症に関する支援制度ガイドブックにまとめられ、令和2年7月に発行、現在は第8版の発行までに至っています。しかし、課題と思われますことは、支援対象者のうちどれだけの方々にその情報が伝えられ、支援策の利用の促進が図られているのかであると考えます。事業者支援策の情報提供がなされましても、手続が煩雑であり、個人事業者の中には面倒なのでと支援を受けることをちゅうちょし諦めている方々もいると伺っています。新型コロナウイルス感染症によって影響を受けている方や事業者を各種の支援策につなげていく作業は、極めて重要であり、手間のかかる作業であると考えますが、どのような取組をなされているのか、また支援策の対象者でありながら手続に至っていない方、事業者をどう制度につなげ支援していくのか、お伺いをいたします。 3月末で終了となる支援策もありましたが、参議院予算委員会での質疑において、雇用調整助成金の特例措置は延長される方向で答弁がなされています。厚労省においては、2月25日、延長が求められていたコロナの感染拡大による臨時休校で仕事を休んだ保護者を支援する小学校休業等対応助成金と休業手当を受け取れない場合に、労働者本人が申請できる休業支援金についても6月まで継続するとされています。コロナ感染の拡大は、市民生活はもとより、市経済にも深く大きく影を落としてきています。 そこで、当局は市民向けの相談口として、社会福祉協議会、地域福祉課、市民課、税務課を指定されていますが、その利用状況、主な相談事案等、その対応など、実績についてお尋ねをいたします。 次に、防災まちづくりの推進についてお尋ねをいたします。 昨年末、政府の中央防災会議は北海道から東北の太平洋沖、日本海溝・千島海溝沿いを震源とするマグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合の被害想定をまとめられ公表いたしました。地震が発生する季節や時間帯など、異なる条件下において予測される被害を推計、特にも厳冬期の深夜に発生し、避難率の低い最悪の事態を想定した場合には、千葉県以北の7道県で死者は最大で約19万9000人、22万棟の建物が全壊するとしています。岩手県においては、死者1万1000人、全壊の建物は1万8000棟と推計されましたが、東日本大震災での人的被害は昨年の警察庁発表によりますと12都道県で死者1万5900人、行方不明者は2525人、災害関連死3767人を含めた死者、行方不明者は2万2192人となっています。今回の被害想定は最悪の事態を想定しての算定であるとしましても、その死者数は極めて衝撃的な想定ではなかったかと存じますが、被害想定に対する市当局の率直な所見をまずお伺いをいたします。 1月16日未明、大震災以来となる津波警報が発令をされました。住民に避難を呼びかけるサイレンの吹鳴と防災無線に不測の事態を想定し、緊張感が走りましたが、沿岸中に市町村の避難指示対象者4万7300人余りに対して、避難者は最大で1984人、約4%だったことが報告されております。海外の海底火山噴火による津波で予測される高さが事前に伝えられ、避難先では気にかかる新型コロナウイルスあるいは寒さの厳しい真夜中であることなど、積極的な避難行動とならなかった要因は理解もできますが、仮にも津波警報の発令に住民の避難意識が低下していたとしたなら重大なことであり、改めて住民一人一人の意識を高める施策が必要ではないかと考えますが、所見をお尋ねいたします。 大震災での教訓から当市におきましては避難をする際、基本的には徒歩での避難を推奨されています。高台に避難した後、警報が解除されるまでの間、厳寒の真夜中の避難行動となれば、高齢者に限らずとも誰もが尻込みをしてしまうことは容易に察せられます。今回の津波警報発令時におきましても、少なくない住民の方々が車での避難を行っていますことから、高齢化が著しい当市にあっては現実的課題として、車による避難がむしろ推奨できる環境の整備を考える必要があるのではないかと存じますが、いかがでしょうか。 課題があるとすれば、地震による建物や電柱などの倒壊によって進路が阻まれることですが、無電柱化の推進、避難道路の拡幅や新たな避難道路の整備、モータープールの整備あるいは車避難道路の地域指定など、渋滞を避ける計画と整備を進めるなら、その可能性は十分にあると考えますが、所見をお伺いいたします。 さて、中央防災会議が公表されました被害想定についての被害の様相は項目別に示され、災害応急体制や主な防災、減災対策が述べられています。それには市町村が取り組む対策、民間で取り組む対策、広域で取り組むべき施策、多額な財源を必要とするもの、県・国の支援が必要なものなど、多くの防災・減災対策が列挙されていますが、既に講じられている対策も見受けられます。また、内閣府は冬季避難の事例集作成に向けて、避難方法や避難所設備、低体温症対策といったテーマごとに北海道、東北の自治体とともに、その対策を検討され、主な取組をモデル事業に認定して支援、事例集にまとめた上で2022年度末までに公表する方針だと伝えられていますが、当市にその声がけは既にあったのでしょうか、お伺いをいたします。 現在、与党内において日本海溝・千島海溝地震特別措置法の改正案が検討されていると聞きます。その中身は大きな津波被害が予測される自治体を対策の特別強化地域に指定し、避難場所整備などへの財政支援を拡充するとともに、低体温症対策など寒冷地特有の対策支援も盛り込み、今国会での成立を目指すというものであります。間もなく岩手県が検討されておりました地域別の具体な被害想定も公表されるものと推察いたしますが、予測される地震、津波災害、豪雨災害等から住民の生命、財産を守り抜くために、今後優先し、取り組まなければならない事業あるいは不十分であると考える防災・減災対策は何であるのか、施政方針演述ではこれまで以上に自然災害への備えを進めていく必要があると述べられていますが、それはどんな施策なのかお尋ねをいたします。 以上で壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 山崎議員の御質問にお答えをいたします。 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定についての御質問でございますが、昨年12月21日、二之湯内閣府特命担当大臣が記者会見で公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定では、地震の発生時期や時間帯を冬の深夜、冬の夕方、夏の昼頃の3つのパターンに分類し、人的被害などを推計しております。 日本海溝モデルの岩手県分の被害推計のうち、冬の深夜の人的犠牲者数について、早期避難率が高い場合には約3200人、そして、早期避難率が低い場合には約1万1000人と東日本大震災の県内の犠牲者数の約2倍の推計値となっております。推計に用いた避難行動の割合は、早期避難率が高い場合において、すぐに避難する割合は70%、早期避難率が低い場合において、すぐに避難する割合は20%に設定されていることから、冬の深夜にすぐに70%の方々が避難した場合においても約3200人の方々が犠牲になるとの推計となっております。 このことから、東日本大震災の被災地として津波の脅威を侮ってはいけないと改めて痛感しているところであります。当市では、これまで様々な防災意識向上に向けた取組を進めてまいりました。具体的な事例を申し上げますと、平成12年度から東北インテリジェントコスモス構想推進岩手県協議会などとの共催による市民を対象とした地震研究公開セミナーの開催や、平成16年からは群馬大学との連携による防災教育などに積極的に取り組み、平成22年には釜石市津波防災教育のための手引きを発行しております。 平成18年1月、中央防災会議から、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の被害想定、いわゆる想定宮城県沖地震の被害想定が公表されておりましたが、この想定宮城県沖地震の被害想定では、津波による人的被害について、地震や津波に対する住民意識が低いケースの場合、県内の犠牲者数が約2100人という被害想定でありました。しかしながら、東日本大震災では、地震規模が想定を上回るマグニチュード9.0と事前の想定とは大きく異なり、6000人を超える方々が犠牲となり、これまで以上に津波避難三原則、「想定を信じるな、最善を尽くせ、率先避難者たれ」を基盤とした防災意識を高める必要性を認識したところであります。 今回想定されている地震・津波は、最大クラスのものであり、広域にわたり甚大な被害が想定されておりますが、想定が厳しいからといって、避難を初めから諦めるようなことがあってはなりません。 また、復興事業では、防潮堤など一定の安全を確保しながら整備を進めてまいりましたが、今回の津波の越流によって防潮堤などが破堤するという想定条件は非常に厳しく、この想定を本当の脅威と捉えた場合、現実は相当に厳しいものがあります。 一方で、いたずらに不安をあおることなく、今後、私たちがこれにどう対応していくかが問われているものと考えております。公表された数値やハード施設だけにとらわれず、引き続き、行政は、市民の命を守るために最大限努力をし、市民においては、自分の命は自分で守るため状況に応じて自分で判断して避難するなど努力していく必要があると認識をしております。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長等が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長小笠原勝弘君登壇〕 ◎保健福祉部長(小笠原勝弘君) 私からは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う相談状況についての御質問にお答えいたします。 まず、市税の納付相談についてですが、令和2年2月から令和3年2月1日までの間は、相当な事業収入の減少があり、一時に納税することが困難と認められた納税者等に対して、延滞金や担保なしに1年間納税を猶予する徴収猶予の特例制度を利用し、延べ45件、1901万300円を徴収猶予いたしました。特例制度終了後の相談には令和3年1月に国が発出した技術的助言に基づく通知、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な者への対応等についてに従い、通常の制度内で2件、約700万円の徴収猶予を行っております。このほか、1年先延ばしにせずに分割納付したいという相談も多く、個々の事情を聞き取りながら対応しております。 次に、後期高齢者医療保険料及び国民年金保険料の納付相談についてですが、後期高齢者医療保険料については、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減少し保険料を納付することが困難な被保険者に対し、減免基準に基づき保険料を減免しております。実績については、令和2年度が8件で18万8700円、令和3年度は現在のところ申請の受付はありません。 国民年金保険料の臨時特例免除については、令和2年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれる場合に、国民年金免除基準により保険料の免除が適用されるものですが、実績については、令和2年度が11件、約130万円、令和3年度が4件、約70万円となっております。 なお、国民年金保険料の免除を受けた場合、将来、受給する年金額が減額になることから、保険料の追納制度についても周知を図っております。 次に、生活に困窮する世帯からの相談状況についてですが、釜石市社会福祉協議会が窓口となり一時的な資金の緊急貸付を行う生活福祉資金貸付制度には、一昨年の3月からこれまで290件の相談が寄せられ、緊急小口資金は129件、総合支援資金は延べ105件、総額8275万円の貸付を決定しております。 また、生活困窮者自立支援制度に基づき委託して設置しております、くらし・しごと相談所では、一昨年の3月以降、新型コロナウイルス感染症に関連する生活相談を138件受け付け、生活福祉資金の貸付けや就労、家計改善に向けた相談の対応をしております。 なお、緊急貸付終了後も生活に困窮する世帯を支援する生活困窮者自立支援金は、これまで6件の相談が寄せられ、そのうち3件の申請を受け付け、1件の支給が決定しております。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、新型コロナウイルス感染症に係る事業者の支援策について2件の御質問にお答えします。 初めに、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への支援策に係る利用促進についての御質問ですが、新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株による感染が全国的に広がり、本年1月下旬以降は、岩手県内でも感染が拡大した状況が続いております。こうした状況の中、当市では、令和2年4月に申請受付を開始した新型コロナウイルス感染症対策緊急支援補助金などの売上減少に対する助成事業をはじめ、かまいしエール券事業、かまいし宿泊エール割事業、キャッシュレス決済ポイント還元事業、資金繰り対策としての新型コロナウイルス感染症関連資金返済支援補助金など、地域事業者の事業継続、活力回復に向けた各種支援策を、令和2年度の実績約6億円、3年度の予算額約4億円の合わせて約10億円を投じて実施してまいりました。 これらの支援策の実施に当たっては、より多くの事業者に活用いただけるよう、市広報紙やホームページへの掲載による周知のほか、釜石商工会議所や釜石・大槌地域産業育成センターなどの関係機関に加え、商店会等の事業者組合の代表者などへの情報提供及び周知依頼を行いながら、利用促進を図ってまいりました。市が実施する支援制度のほか、国や県の主な支援制度につきましても、市民生活や事業者の事業継続に資するよう、支援制度ガイドブックに盛り込み、定期的に見直しを行いながら、ホームページへの掲載により周知しております。 こうした取組により、今年度実施したかまいし飲食店安心認証支援金では、制度に該当する175店舗のうち、申請済みが142店舗に上り、申請率は81%となっております。さらに、釜石商工会議所においては、感染症関連の支援制度の活用促進のため、手続きサポートセンターを開設し、支援制度に係る各種相談等に対応しておりますほか、会報への情報掲載や制度のチラシを折り込むなどしながら周知を図っており、当市においても、来所や電話などによる支援制度への相談や問合せに対しては、細やかな対応を心がけております。 次に、支援策の対象でありながら手続に至っていない事業者をどのように制度につなげていくのかとの御質問ですが、いかに適時的確な支援策を講じたとしても、制度によっては申請手続が煩雑であると受け取られ、申請までに相当の時間と労力を費やすことを敬遠されることで、申請に至らないケースも考えられます。 こうしたことから、今年度実施いたしました釜石市経営支援給付金やかまいし飲食店安心認証支援金では、岩手県が実施する支援制度の交付決定を受けた事業者に対し、市が上乗せして助成する方式とすることで、申請に係る必要書類を最低限のものとするなど、なるべく申請しやすくなるよう工夫しております。 また、申請が必要となる支援制度については、簡潔明瞭なチラシや記載例を作成し、申請しやすさに配慮しておりますほか、相談や問合せにも懇切丁寧に対応するよう徹底し、できるだけ多くの事業者に制度を活用していただけるよう努めております。しかしながら、それでもなお申請に至らない事業者が存在する可能性もあるため、今後も引き続き、関係機関と連携しながら周知と相談などに対する細やかな対応に努め、周知については、引き続き効果的な方法を検討してまいります。 ○議長(木村琳藏君) 危機管理監。  〔危機管理監菊池拓也君登壇〕 ◎危機管理監(菊池拓也君) 私からは、住民の避難意識が低下していたとしたら重大なことであり、改めて住民一人一人の意識を高める施策が必要ではないかとの御質問ほか3件にお答えいたします。 まず、トンガ沖の海底火山噴火に伴い、1月16日に発表された津波注意報、津波警報において避難率が低かった要因ですが、15日夕刻に、気象庁から、若干の海面変動が予想されるが、被害の心配はないとの発表があり、通常、遠地地震による津波で行われる事前予告もない中、地震に伴う揺れを感じることもなく、16日0時15分に不意に津波注意報が発表されたこと、続けて2時54分に津波警報に切り替わったものの、その時点で、津波が既に到達しているとの発表があり、かつ、釜石港で観測されている潮位上昇が30センチメートルであり、戸惑いを感じながら結果的に避難しなかった方が多かったものと推察しております。 その後も、潮位変動は大きな変化を示すことなく、県内では久慈港の1.1メートルが最も高い潮位上昇であり、釜石港では最大で40センチメートルの潮位上昇であったことから、避難者数が増えなかったものと、併せて推測しております。 今回は、特にも地震動など前触れもなく通常とは異なる形での津波避難行動であったことから、これをもって住民の避難意識が低下していると結論づけるものではないものの、避難しなかったことを肯定する理由になるものでもなく、市といたしましても、避難率が低かったことについては懸念を持っております。 昨年12月に内閣府から公表された日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定では、夏の昼、冬の夕方、冬の深夜と条件の異なる3パターンの被害量が推計されております。日本海溝モデルにおける津波による人的被害の推計ですが、岩手県全体で最も被害が少ないとされる夏の昼で早期避難率が高い場合、約400人となっております。冬の深夜に被害が大きくなっている理由としては、多くの人が自宅で就寝中の時間帯であるため、避難準備に時間を要するほか、夜間の暗闇や積雪・凍結により避難速度が低下するため、避難が遅れることから、津波による被害が最も多くなる時期、時間帯とされているところです。 内閣府の被害想定でも示されているとおり、冬の深夜という同じ条件下でも早期避難率の高いことで想定被害者数が大きく減少する等、津波災害は、地震発生後、短時間で来襲し災害をもたらすものであるため、危険な地域から一刻も早く、緊急避難場所などを含めた高いところに立ち退き避難をする必要があります。 当市では、これまで地震・津波避難訓練の実施、防災出前講座等の開催、ハザードマップでの津波浸水想定区域の周知により防災意識の醸成を行い、避難意識の向上に努めてまいりました。今後は、既存の施策を推進するとともに、生活応援センターや地域会議と連携しつつ防災教育や地域ごとの防災訓練に取り組む等、さらなる防災意識の醸成に努めていくほか、津波警報等が発表された際は避難指示を速やかに発令し、市民の皆様へ迅速な避難行動を呼びかけてまいります。 次に、津波災害時の自動車避難についての御質問ですが、釜石市地域防災計画では、避難手段は、原則として徒歩によるものとすると定めております。東日本大震災でも見られたように、自動車による避難行動は交通渋滞を招くほか、交差点を横断する徒歩避難者の避難行動を妨げるなど、車両運転手や同乗者を含め人的な被害を拡大させる可能性があること、そして警察や消防など防災活動を行う緊急車両の通行確保の観点から、釜石市防災会議の中に設置した自動車避難に関する専門委員会で協議、検討を行いながら、平成26年8月に開催した釜石市防災会議において徒歩による避難を原則とすることが承認され、現在に至っております。 先般のトンガ沖海底火山噴火による津波警報では、深夜で非常に寒い中での避難行動となり、高齢者に限らず誰しもが防寒対策を講じた上で避難したとしても、寒空の下では過酷な環境であったものと考えており、すぐに避難場所を離れ帰宅したなどの要因の一つであると認識をしております。 そのようなことからも、冬期間、特にも夜間、早朝の寒さ対策を考えた場合、自動車での避難行動は現実的で有効な方法であると考えております。御指摘のとおり、無電柱化の推進や道路の拡幅・整備、自動車の駐車場整備などに加え、渋滞対策を講じながら取り組むことで、自動車避難の可能性は広がるものと考えています。 一方、自動車避難は、朝夕の通勤時間帯や交通量の多い交差点などでは交通渋滞を招き、人的被害を拡大させる可能性があることや複雑な交通規制によっては混乱を招く可能性もあるほか、道路整備などの事業費の確保に加え、狭隘な地形などを考慮した場合、解決すべき課題は山積するものと推察されます。しかしながら、当市が指定している82か所の津波緊急避難場所は、一刻も早く危険な場所から逃れ、身の安全を確保するため、高台の安全な場所に移動するという立ち退き避難の観点から、屋外の高台広場を数多く指定しているため、冬期間の寒さ対策が課題であることは言うまでもありません。 したがいまして、岩手県の地域防災計画においても徒歩避難を原則としておりますことから、引き続き、当市においても徒歩避難を原則としつつも、津波緊急避難場所への時間距離や避難環境を含め、地域や家庭の実情に応じて自動車避難を行うなど、迅速で効率的な避難に結びつくような行動も選択肢の一つとなるものと考えております。 次に、内閣府は冬季避難の事例集作成に向けて、避難方法や避難所設備、低体温症対策といったテーマごとに、主な取組をモデル事業に認定して支援、事例集にまとめた上で2022年度末までに公表する方針だと伝えられているが、当市に声がけがあったのかとの御質問ですが、避難の事例集作成に向けたモデルの事業選定などに関して、現時点では、内閣府からの連絡は受けておりません。 次に、今後、優先して取り組まなければならない、あるいは不十分であると考える防災・減災対策及びこれまで以上に自然災害への備えを進めていく必要がある施策についての御質問ですが、第六次釜石市総合計画では、「過去に学び、みんなが命を守れるまち」を基本目標に、防災意識の向上、地域防災力向上、多重防御による防災・減災対策の3つの施策を掲げております。これらは、自助、共助、公助の考え方を具現化したものになります。防災意識の向上では、防災教育の充実、実践的な防災訓練の実施、防災に関する正しい知識の習得、災害伝承の仕組みと体制づくり、ハザードマップの整備等を主な施策と掲げており、地域防災力向上では自主防災組織と消防団活動の活性化、防災士の養成及び組織化等を掲げております。公助の部分となる多重防御による防災・減災対策では、防潮堤等のハード整備に加えて、避難場所、避難環境の整備、情報伝達体制の整備等のソフト対策を掲げております。 これら各種防災施策は1つの施策を優先に取り組むものではなく、あらゆる施策を総動員し、災害対策基本法第5条に規定されている基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するという市町村の責務を全うする必要があると考えております。また、不十分であると考えられる防災・減災対策については、さきの津波警報での避難行動で見られた避難率の低さ等から、防災意識の向上についてもまだまだ至らない部分があると感じておりますが、特にも、人口減少や高齢化等から地域コミュニティーが弱まっており、それに伴って共助の部分についての取組が喫緊の課題であると捉えております。 これらの懸案に取り組むため、これまで以上に自然災害への備えを進めていく必要がある施策といたしましては、既存の自主防災組織の活動支援や、組織率向上を推進するため、自主防災組織育成助成事業補助金の拡充を図ることとしております。また、地域防災の要である消防団につきましては、団員報酬の増額により処遇改善を図りつつ、消防車両などの整備充実や活動環境の改善を行う等、消防団の増加に取り組み、地域防災機能の充実を図ってまいります。 さらに、地域における防災リーダーの育成のため防災士養成講座を開催するとともに、避難行動要支援者の個別避難計画の作成など既存の事業についても引き続き取り組んでまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) それでは、再質問させていただきたいと思います。 防災対策についてお尋ねをしていきたいと思います。 気になる点が幾つかあるわけでありますが、その一つが現在、国の指示によって要援護者等の名簿づくり、計画がされているかと思うんですが、非常に私は、随分ナンセンスではないかと、そのように思うわけです。地域によって支援をする人、誰が支援するのか決めて計画をつくっていくわけですが、本当にそれが災害時に、特にも津波災害の場合に、本当に計画どおりにいくのかどうか、極めて心配なわけです。いつも支援を必要とする人のそばに、常に支援をする側の方がいらっしゃるということでもないでしょうし、その計画をつくったとしても、果たして実効性がどうなのかというような気がするわけであります。むしろ計画づくりよりも、地域の中で、誰が誰を見るではなくて、地域の中で考えていく必要があるのではないかなと。そういう計画づくりのほうがもっと必要なことではないのかなと思うんですが、そういった私の見解についての答弁をお願いしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 地域福祉課主幹
    地域福祉課主幹(川崎達己君) ただいまの質問にお答えさせていただきます。 議員おっしゃるとおり、津波に関してはほかの災害と異なりまして、時間的な余裕がないために支援活動を行うということになると非常に難しい問題であります。今後、地域の方との話合いを進めていく中で、津波到達予想時間を考慮した退避ルールを事前に定めておくとか、そういった工夫をしながら、支援者自身の安全を確保することを優先とした個別避難支援計画を策定して、支援者自身も確実に避難できるように取り組んでまいります。実際には、支援計画を策定することをベースとして、さらには避難訓練を繰り返し、それに基づいた訓練を実施するということが非常に大事なことだと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) 全く今の答弁には反論する何物もないわけです。全くそのとおりなんですよ。しかし、それがなかなか、どうなのかなと。個別計画をつくっても、なかなかそうは、津波災害の場合はそのようにはいかない。ですから、あるいはまた自主防災組織の組織化も遅れていますし、自主防災組織をつくっても訓練がなかなかされていない。そういう状況下にありますし、そういったことが1月16日だったですか、あの際の津波警報発表の際にもそれが如実に出てきたなと、そういう感じがしたわけです。むしろ東日本大震災の前の避難訓練に市も真剣になってやってきたわけですが、どうも震災後のほうが、避難訓練なされていないような気がするんですよ。私が住んでいる地区がそうなので、市内全体がそうだとは言い切れませんが、いずれそういう防災関係者を巻き込んだ、そういう避難訓練が最近されていない、これは私は大きな問題ではないのかなと思うわけです。 それから、車避難について、たまたま今朝のある新聞に載っていましたが、やはり南海トラフを抱えている地域にあっても、今、真剣に車避難を考えている、検討しているというような記事が載っていました。私は高齢化がこれだけ進んできますと、私の周りを見ても高齢者が本当に多い。高齢世帯あるいは高齢者お一人で暮らしている方々が、先日の津波警報が出た際にも何人かに電話をいたしました。高齢者の方々に。どこに逃げたらいいべというような感じで、寒くてとても、一遍逃げたけれども、また戻ってきたとか、そういう状況下にあるわけです。今日の答弁を通しても、高台に逃げるということは、まず避難をするということは、答弁の中にもありますが、その問題は避難所の、冬場の夜間に警報が出たと、そういった際に指定されている高台にそういう雨風を防げるような避難場所でもあるのかと。各地域にあればですが、ない地区のほうが多い。そういった整備の話は、全く今日の答弁にも出てきませんでしたが、どうしたらそういう警報が出て、避難をしなければならないときに、すぐ安心して避難できる、そういう建物なり何なりがあればですが、今ない状況ですし、ほとんど。それについては、答弁では確かにそのとおりだと思うんですが、じゃ、実際にどこに逃げたらいいのかという具体的なものは何もないわけです。その辺についてどういうお考えをお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 危機管理監。 ◎危機管理監(菊池拓也君) まず、1点目の地域自主防災組織の対応という部分でございます。 自主防災組織といって形骸化になっている地区もございますし、一生懸命やっていただいているところもございます。私たちとしても、自主防災組織と言われる部分がありますけれども、これもまさに地域、町内会とはそういう方々がまず活動している部分に依存するしかないというふうに思ってございますので、先ほどの要支援者の考えもございますので、まずいずれの地域で、町内会で、地域でという部分のつながりを持っていただいて、まず対応していただくというのが一番なんじゃないかなと。その形がもしかしたら最終的な自主防災組織というものになるかもしれませんけれども、いずれ地域、町内会、そういう単位でいろいろな部分を考えていただければなというふうに思ってございます。 先ほど言われました避難訓練等、今年度、昨年度とコロナの関係もあって実施できていない部分がございます。それに伴っても、少しですけれども、対応してやっていただいている箇所もございますので、引き続き地域の方々を巻き込んだ地域の避難の在り方という部分については、私たちも支援していきますし、その部分も含めて今後とも地域の方々を巻き込んで対応していきたいなというふうに思ってございます。 あと、車避難の部分でございます。確かに、今回の冬の寒い中での避難という部分については、本当に御苦労をかけた部分があったかなというふうに私たちも思っています。答弁の中でもそれを否定するものではございませんし、できれば暖を取れるような避難所、そういう部分がいっぱいあれば一番いいのですが、それでも避難場所にまず逃げていただく、これがまず命を助かる一番の部分ですので、まずそれをお話ししつつ、今回の部分で私たちもちょっと考えたところでありますけれども、避難場所として設定している場所には、拠点避難場所として体育館とか集会所とか、そういう部分に近いところもございますので、なるべくそういう部分をすぐにでも開けるような準備をしていくというような体制を組んでいきたいというふうに思ってございます。そういう暖かい場所での避難、潤沢に、それこそ、もう逃げれば暖かいところで何でも出てくるという形にはなりませんけれども、少しでもそういう部分に近づけるようにというふうには思ってございます。 あと、車避難の部分につきましては、どうしても場所、あとは被害の状況によってはかえって車避難の部分で逃げ遅れてという部分が東日本大震災のときもあったという部分については、議員さんも御承知のことと思われます。全く車避難を否定するわけではございませんけれども、やっぱり条件整備といいますか、地域性といいますか、対象者といいますか、そういう部分を少し整理していかなくてはいけないかなというふうに思ってございます。全く否定するものではございませんので、今後ともそこら辺につきましては、考えていく重要な部分であるというふうに捉えてございますので、今後ともそういう方向を含めながら自動車避難の在り方という部分については考えていくべきではないかなというふうに思ってございます。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) 車避難につきましては、東日本大震災の際に多くの方々が渋滞に巻き込まれて犠牲になられたということもありまして、原則として車での避難はやめようと。国も、もちろん県もそういう方向性になってきたわけですが、しかし、あの当時、10年前と現在比べてみますと、本当に回りに高齢者だらけ、私も高齢者の1人ですが、本当に私以上の高齢者だらけになって、本当に車じゃないと、車に乗せて一緒に逃げないと逃げられない方々がたくさんいらっしゃるなと。改めてあの1月16日、改めて強く感じた次第です。これは車で一緒に避難をしないと、この方々、みんな本当に津波が来たら亡くなってしまうなと。ですから、これは車避難について真剣に、どうしたら車で逃げられるか、そうじゃなくてもあの1月16日、このまちの中でも、こちらの方面に車で逃げられた方々がたくさんおられました。車で逃げるなといっても、寒い季節ですと、あるいはまたお年寄りや支援が必要な方を抱えている家族の皆さんは、どうしても車で逃げることを考えるわけです。車で逃げるなといったって、車で逃げざるを得ないわけです。 そういった現実もしっかりと見ながら、どうしたら車での避難が可能なのかということのほうを、私は考えていかなければならないのではないかなと思うんですよ。どうしたら車で避難が可能になるのか。私は地域割といいますか、例えば松原方面の方は大平方面に逃げてほしいとか、地域、地域に逃げる方向を示してふだんから訓練を行っていくとか、いろいろ考えられると思うんですよ。そういったことで、この車避難についても、これを決める際に、市長も中に入っていろいろけんけんがくがくやったわけですから、ぜひ市長の車避難についての見解もお尋ねしておきたいと思うんですよ。今朝の新聞も、私も岩手日報ですが、読んできまして、やはりどこでも車じゃないと逃げられない方々がたくさんいらっしゃるわけです。まさに高齢化率が年々高くなってきている釜石市もそうだと思いつつ、やはり車避難については真剣になって考えなければならない、もう時期に来たんではないかと、そう思うものですから、ぜひこの際、市長の見解もお尋ねしておきたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 議員おっしゃっているとおりです。10年前の東日本大震災では車で避難した方々が大勢犠牲になったということもございまして、その直後の防災会議等でも、いろいろと議論されて、最終的には徒歩避難、車避難はやめて徒歩での避難にしようということで統一されて今日に至っております。基本的には、当時の思いは、やっぱり大事にしていかなければならないと思いますので、原則やはり徒歩避難というのは、これは守っていかなければならないものだと思いますが、ただ、議員おっしゃっているとおり、じゃ、体の不自由な方々、高齢者の方々をどうするんだとか、先ほどの要支援者の避難の在り方も含めてですが、結局、車で避難せざるを得ない方々も当然おられるわけでございまして、そこの部分と、それからその住んでいる場所、あるいはまた働いている場所、これが昼間なのか、夜なのか、その時間帯によっても変わってきますので、なかなか一概に車避難がいいんだということも言えない状況だと思います。 したがって、先ほど来お話しありましたとおり、やはり市でやれる部分と、それから市でなかなか管理できない部分がありますから、結局やっぱり、もちろん市で管理できる部分はいろいろと議論して、ある程度の方法というものは住民の皆さんと協議をしていかなければならないと思いますが、まずは基本的には自主防災組織で、そこに住んでいる方々でなければ分からない、様々な地域の特性というのがあると思いますので、やはり自主防災組織の在り方というのがまず一番考えていかなければならない部分だろうと思っております。 それから、企業、働いている方々におきましては、それぞれの企業とか、あるいは事業所での昼間の部分ですが、こういった場合の避難の在り方、企業における避難の在り方、これも検討していただかなければならないと思っております。 ですから、要支援者の避難の在り方、あるいはまた企業における事業所の職員の皆さんの避難の在り方、また夜間、あるいは昼間等々、時間帯による避難の在り方等々、様々な視点からこれは考えていかなければならないと思います。 そうしますと、結局、これは一人一人がそういった、先ほど避難訓練のお話がありましたけれども、やっぱり自ら避難訓練をしながら、自ら、どうしたら自分の命を守れるかということを、やっぱり常日頃考えていく、そういった危機意識を持っていくというところに尽きるんだろうと思うわけでございます。そこと行政がやるべきところ、公的な公助という部分をどのようにつなげていくかということが大きな課題だろうと思っておりまして、議員おっしゃっているとおり、まだまだ議論が尽きていない部分がありますし、住民との間のそういった意思疎通も図られていないところがございますので、大きな課題として捉えております。これはこれからといいますか、喫緊の課題でございますので、できるだけ早くそういった体制が構築できるように取り組んでいかなければならないと思っております。 車避難が必要だから、すぐに車避難だということではなくて、徒歩避難を前提としながら、場合によっては、時によっては、あるいは人によっては車の避難も有効だということについては、これは議員の考えと同じだと思います。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君。 ◆14番(山崎長栄君) 全くそのとおりで、今すぐ車避難オーケーだよというわけには当然いかないと思います。ただ、車避難は駄目だよと言っていましても、先日のように多くの方々が車で避難をしていると。止めようもないわけですよ。当日、おまわりさんが、あんた、車で逃げるの駄目よと止めるわけにもいかないでしょうし、ですから難しい、それぞれの市民の意識の問題もありますし、しかし、基本的な部分はやはり訴えていく必要があるんだろうと思うわけです。その前提として、車じゃなくても避難できるという体制づくり、寒くてもあの高台に行ったら、寒くないように長時間、解除になるまで、仮に災害が起きたとしたら、本当にかなりの長時間、避難場所にいるようになるわけですから、いずれ安心して避難ができる、そういう避難場所を提供していく、そういう行政には、行政のやるべき、あるいは地域と一緒になって共に住民の皆さんが安心して、冬季間であっても避難できる場所を提供していく。これはやはり必要なんだろうなと思います。 要支援者についても、これは1対1じゃなくて、地域で要支援者をどのように守っていけるかという話のほうでもっていかないと、この方には誰かお願いする人、誰もいなければ民生委員さんがなったり、本当に自分の家族を守ることでさえも大変なのに、ましてそういう支援を必要とする人を、家族のほかに一緒に逃げるとなれば、これはまた大変なことですし、これはやっぱり地域ぐるみで考えていく、これは課題なんだろうなと。まだそこまで話は進んでいないのではないかなと思うわけです。自主防災といっても、町内会がそのまま自主防災組織になるわけですが、なかなかそういった話合いをしているところのほうが少ない、そういうふうに思います。 防災士につきましても、組織的なものに何もなっていない。ですから、この辺ももっともっと防災士の皆さんにもやるべきことをしっかりと協力していただくような組織づくり、必要だと思うんですが、これも大分前から、何度も、何度かここでもお話しさせていただいていますが、なかなかこれも進んでいませんし。 それから防災組織の中で、肝腎な消防団についても、今、本当に団員数の減少で、果たして消防団、存続できるのかというようなところに来ています。時間になりましたね、すみません。 様々な課題があります。ぜひそこをもう一遍真剣になって当局には考えていただきたいということをお話しして終わります。 ○議長(木村琳藏君) 14番山崎長栄君の一般質問を終わります。 4時50分まで暫時休憩をいたします。               午後4時43分休憩---------------------------------------               午後4時50分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。 あらかじめ会議時間の延長を行います。 次に、2番磯崎翔太君、登壇願います。  〔2番磯崎翔太君登壇〕 ◆2番(磯崎翔太君) 創政会の磯崎翔太です。 今回の質問は3点です。1点目は水道事業について、2点目はスポーツ事業について、3点目は多文化共生推進プランについてです。 初めに、水道事業についてお伺いいたします。 令和元年10月1日に改正された水道法が施行されました。改正の趣旨は、人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の水道の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るため、所要の措置を講ずることとなっております。さらに、その詳細について5点ほど言及がされております。1点目は関係者の責務の明確化、2点目は広域連携の推進、3点目は適切な資産管理の推進、4点目は官民連携の推進、5点目は指定給水装置工事事業者制度の改善です。 これらの改正内容の中でも世界的、全国的にも議論を呼んでいるのが官民連携の推進に係る仕組みについてであります。改正水道法で言う官民連携の推進とは、地方公共団体が水道事業者等としての位置づけを維持しつつ、厚生労働大臣の許可を受けて水道施設に関する公共施設等の運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入可能とするとのことです。この仕組みは、いわゆるコンセッション方式とも呼ばれ、公的機関にとっては財政負担なく水道事業を運営することが可能となるほか、関与する機会は維持をしつつも、民間事業者のノウハウ導入による効果的かつ効率的な施設運営が可能となるメリットが生まれます。民間事業者にとっては、自らの経営努力等によって料金収入を伴う公共施設の運営を行うことができるなどのメリットが発生するものと思慮されます。 もちろんメリットばかりではなく、民間事業者の経営上の創意工夫等は最大限尊重しつつも、運営権価格の設定やリスク配分、利用料金の適正化、経営破綻などのデメリットも存在することは言うまでもありません。 当市の水道事業経営戦略によれば、経営の効率化を図るために3つの事項について取り組むこととしております。1点目は有収率の向上、2点目は組織と人材の強化、3点目が民間のノウハウの活用です。過去の定例会において、当局は上水道における公設民営化について、効果や課題などの検証が必要なことから現段階では考えておらず、今後、他事業体の動向を注視しながら導入の是非を見極めたいと考えているとの答弁をしております。 そこで当局にお伺いいたします。私から、一般的なコンセッション方式導入に際してのメリット及びデメリットについてさきに触れましたが、当市上水道事業において同方式を導入することによるメリット及びデメリットについてどのようなものが想定されるか、当局の見解をお示しください。 あわせて、上水道事業に係るコンセッション方式の導入等による民営化について、現時点でどのような判断をされているのかお聞かせください。 さきに述べた水道事業経営戦略は平成29年に策定され、現在もその戦略に基づいて事業が遂行されているものと考えます。同戦略によれば、管路の総延長は平成27年度末で約305キロメートル、このうち法定耐用年数40年を経過した老朽管の延長は約50キロメートルで、全体に占める割合は約16%に達すると記載されております。特にも昭和50年代である1975年から1984年の拡張事業で取得した資産の割合が多い傾向にあり、本年以降、その法定耐用年数を上回る管路が増加していくことは想像に難くありません。 これらの改修や更新、長寿命化を図るに当たり、水道事業経営戦略の適時的確な見直しを含む効率的かつ生産性の高い水道事業の運営が求められております。もちろん老朽化した施設等の更新だけでなく、人口減少に伴う給水人口の減少や有収水量の減少が続けば、料金改定等の必要にも迫られるかもしれません。人の命をつなぐ最も重要なインフラは水です。現在、自治体はこの水の安定的な供給を確保しつつ、持続可能な水道事業経営を目指す必要があります。そのためにも早期に課題を把握して対処し続けることが重要となります。 そこで当局にお伺いいたします。現時点での水道事業に係る課題並びにその解決策についてお示しをお願いいたします。加えて、今後の水道事業の展望についてもお示しください。 次に、スポーツ事業についてお伺いいたします。 当市を本拠地とするラグビーチームが新しく組織されたリーグに参入をいたしました。同リーグは4つの実現するべきミッションを掲げております。1点目はファンが熱狂する非日常空間の創造、2点目は地元の結束、一体感の醸成、3点目は日本ラグビーの世界への飛躍、4点目は社会に貢献する人材の育成となっております。これらをかみ砕けば、2019年に開催されたラグビーワールドカップのレガシーを継承しつつ、継続性のあるものとしようとする考えが読み取れます。 当市を本拠地とするチームはディビジョン2に属し、その熱い戦いを市民に届けてくれているところであります。 そこで当局にお伺いいたします。同チームが新リーグに参入するに当たり、当市に与える経済波及効果並びに地元の結束等にどのような影響を及ぼすと考えられるか見解をお聞かせください。 また、同リーグの公式戦実施要領第4章第1節スタジアムについて、このように記載されております。「スタジアムは競技規則第1条の要件を満たすグラウンドを備えるものでなければならない。また、次の各号を備えるものが望ましい」。重要なのは、ここで言う各号に記載をされている設備についてであります。この中には、グラウンド面から1.5メートルの高さにおいて、5地点で計測した原則、平均1500ルクス以上を確保した照明設備、附帯設備として大型映像装置を具備とも記載されております。もちろん現時点では必ずこれらの設備が整備されている必要がないものの、リーグ規模の拡大やナイトゲームの開催が検討されるにつれ、将来的には整備に迫られる可能性もあるものと推察されます。これらの設備改修に当たっては、ラグビーのみならずサッカー等ほかのスポーツにも活用ができ得る改修となります。 そこで当局にお伺いいたします。鵜住居復興スタジアムの機能改修について、現時点で示すことができる計画の有無について回答をお願いいたします。 続いて、スポーツ等に利用されている既存公共施設の利用状況についてお伺いいたします。 当市のホームページにおいて公開されている市内のスポーツ施設は鵜住居復興スタジアム、市民体育館、球技場、市営プール、市民交流センター、中妻体育館、平田公園野球場の計7施設となっております。まずもってこれら施設の利用状況はどのように推移しているのかお伺いをいたします。また、季節等による利用者数の変化についても併せてお伺いいたします。 最後に、多文化共生推進プランについてお伺いいたします。 同プランは、令和3年度から令和7年度を対象とした5年間のプランとなっております。同プランを策定した目的は、グローバルな視点を持ち、多様性を認め合える市民が育つまちづくりを図ること、外国人市民等の社会参画による地域の活性化を図ること、外国人市民等を含む全ての人にとって暮らしやすいまちの実現を図ることとしております。 まず初めに、外国人市民等の社会参画とは何を想定し、プランの策定目的の中に織り込んであるのか、当局の考えをお聞かせください。 また、同プランにおいても言及がされておりましたが、外国人市民にとって災害発生時に安心して行動できないことがネックとなっているものと思慮されます。具体的には逃げる場所が分からない、逃げる方法が分からないなどといったことが挙げられております。当市は歴史的に見ても地震や津波による大きな被害を幾度となく経験しております。防潮堤や高台移転等を通じてハード面による防災対策はそのほとんどを完遂いたしました。しかしながら、外国人市民等にとっては、それらを最大限活用できていない、これが現状ではないでしょうか。同プランに記載されているとおり、日本人と同等の避難行動や避難生活を送ることができるように、可能な限り支援をすることが肝要であると考えます。 外国人市民等に配慮した防災情報の発信や啓発の活動がどのように実施されているか、当局の取組状況についてお示しください。 加えて、当市の国際化に貢献できる人材の育成の取組の1つとして、市職員の外国語コミュニケーション能力の向上が掲げられています。技能実習生などが増加する可能性もあり、市の窓口での手続の機会が増えることや、各地区生活応援センターや各課にて日本語が苦手な在留外国人の対応をする機会が増加することも考えられるため、市で設置している外国人相談窓口の担当職員のみならず、全ての職員が外国語でのコミュニケーションを行える人材となることを目指すとあります。 果たしてこの取組は実現可能な、かつ現実的な目標設定であると言えるでしょうか。むしろ職員向け翻訳機の貸出し及び翻訳機や翻訳アプリの操作説明会等の開催を通じて、全ての職員が違和感なく外国人市民とコミュニケーションが取れる体制を整えることのほうが急がれます。まかぬ種は生えぬとは言いますが、種から育て上げるよりも、収穫してきた野菜を上手に調理して提供することも時には重要であります。今後の国際化に貢献できる市職員の人材育成について所見を伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。再質問は時間の許す限り自席にて行います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 磯崎議員の御質問にお答えをいたします。 多文化共生推進プランにおける外国人市民等の社会参画についての御質問でございます。 当市は、第六次釜石市総合計画を推進する基本的な考え方の1つである「多様な連携と交流によるまち」を目指し、多文化共生施策を総合的かつ計画的に推進するため、昨年3月に、令和3年度から令和7年度までの5年間を計画期間とする釜石市多文化共生推進プランを策定いたしました。多文化共生とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくことであり、日本人市民も外国人市民等も地域の一員として共に認め合い、互いに力を合わせながら地域社会を発展させていこうという考え方であります。 このことから、釜石市多文化共生推進プランにおける外国人市民等の社会参画とは、地域コミュニティーの中で、日本人市民と外国人市民等の心の壁を取り除き、外国人市民等も自身が居住する地域の行事や活動に積極的に参加しながら、地域に暮らす日本人市民と一緒にまちづくりを行うことにより、外国人市民等が安心して暮らせるまちとなることをイメージしているものであります。外国人市民等の社会参加により人と人のネットワークが広がり、地域社会の新しい活力を生み出すとともに、日本人市民にとっては、地域の魅力を再発見する機会となり、国際理解や多様性への理解が深まるきっかけになるものと考えます。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き関係部長等が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 文化スポーツ部長。  〔文化スポーツ部長佐々木育男君登壇〕 ◎文化スポーツ部長(佐々木育男君) 私からは、スポーツ事業について及び多文化共生推進プランについてのうち、2件の御質問にお答えします。 まず、当市を本拠地とするラグビーチームが、ラグビーの新リーグに参入するに当たり、当市に与える経済波及効果並びに地元の結束等にどのような影響を及ぼすと考えられるかとの御質問ですが、国内ラグビーの新リーグであるジャパンラグビーリーグワンは、チームの活動拠点となる地域をホストエリアとして定めることとしており、釜石シーウェイブスは、当市をホストエリアとしております。 同チームが振り分けられたディビジョン2は、全6チームがまず2回戦の総当たりを行い、その後、上位3チームと下位3チームに分かれて総当たりで1回戦を実施し、最終順位を決めます。その後、ディビジョン1の下位3チームとディビジョン2の上位3チームが、また、ディビジョン2の下位3チームとディビジョン3の上位3チームが残留・昇格をかけて入替え戦を行います。 こうしたリーグワン公式戦に加え、詳細は未発表ですが、カップ戦の実施に向けての調整も行われていると伺っております。 これらにより、リーグ戦での最大8試合に加えてカップ戦の数試合がホストエリアで行われることとなり、釜石鵜住居復興スタジアムで行われる試合数は、昨年度、前身のジャパンラグビートップチャレンジリーグにおいて1試合だったことと比較して、大幅に増加するものと認識しております。 試合の開催による経済波及効果については、単純にその回数が増えることにより、観戦客がもたらす宿泊費、飲食費、交通費、商品購入費といった消費が期待され、試合開催に伴い投入される総支出額である直接効果に加えて、間接的な効果も地域に及ぶものと捉えております。金額の詳細については、観客数や来場者の属性等の必要なデータをそろえた上で、専門的な機関で算出を行う必要がありますが、ホストエリアで行われる試合について、チケットやグッズの販売から試合までの主管・運営を担うチームと随時情報を共有しながら、成果を取りまとめたいと考えます。 地元の結束等に及ぼす影響については、御指摘のとおりリーグワンは実現すべきミッションの1つとして、地元の結束、一体感の醸成を掲げています。同リーグではチーム名に地域名を入れることが参入条件とされ、試合形式もホスト&ビジター方式を採用するなど、地域に根差したチーム運営を目指しています。 釜石シーウェイブスは、同リーグの発足に先駆けて地域のクラブチームとして2001年に創設され、これまでにも地域のスポーツ振興や社会貢献活動に取り組んできました。同チームがその価値を高め、これまで以上に市民に愛され、応援したいチームになっていく活動を支援するとともに、市民がそれぞれの立場で参加でき、ラグビーの興奮と感動を共有できる環境をつくることで、一層の地域の結束、一体感の醸成につながっていくと考えます。 当市といたしましても、第六次総合計画において、ラグビーのまち釜石の推進を重点施策に掲げていることから、市内の関係団体で構成するラグビーのまち釜石推進協議会を中心に、試合の盛り上げやおもてなしをはじめとして、ラグビー人材の育成・強化、ラグビーの聖地化に向けた取組、ラグビーを活用した地域産業の振興を図ってまいりたいと考えます。 次に、釜石鵜住居復興スタジアムの機能改修について、現時点で示すことができる計画の有無についての御質問ですが、ラグビーリーグワンの公式戦実施要項に定めるスタジアムの確保の要件として、照明設備や附帯設備となる大型映像装置については、御指摘のとおり設置が望ましいとされているものの必須要件とはされておりません。 したがいまして、鵜住居復興スタジアムの現在の常設設備で公式戦を開催することは可能となっていることから、追加整備の計画はございません。今後は、ラグビーリーグワン公式試合や、各種大規模イベントの開催状況、あるいは鵜住居復興スタジアムの運営方法の見直しの中で、機能拡充が必要となった際は追加整備も検討・協議してまいります。 次に、スポーツ等に利用されている既存公共施設の利用状況についての御質問ですが、市内スポーツ施設7施設の利用状況について、まず、令和2年4月に供用開始した鵜住居復興スタジアムと、令和元年12月に供用開始した市民体育館の2つの新設施設については、各種スポーツ大会や合宿のほか、市民のスポーツ活動など、たくさんの方に御利用いただいております。そのほかの5つの施設においては、コロナ禍の影響や施設改修のための利用休止期間がありましたが、大会や練習などの固定した利用も多いことから、ここ数年間の推移を見ると僅かの減少となっております。7施設の直近3年間の利用者数の合計は、令和元年度が12万4064人、2年度が15万97人、3年度は1月末現在で13万9014人となっています。 季節ごとの利用状況につきましては、屋外施設である市球技場や平田公園野球場は、春から秋にかけての利用が多く、市営プールにおいては、屋外プールが開設される夏場の利用が多くなっています。屋内施設の体育館においては、秋から冬にかけての利用が多く、これは春から秋にかけ屋外施設を利用している団体が、冬場は体育館を利用するためと捉えております。今後とも、関係機関と連携して各種スポーツ大会や合宿の誘致を推進するほか、市民の健康増進活動に御利用いただくなど、施設の利用促進を図ってまいります 次に、外国人市民等に配慮した防災情報の発信や啓発活動がどのように実施されているか、その取組状況についての御質問ですが、まず、外国人が転入手続で来庁した際は、市と岩手県の外国人相談窓口や市のホームページ、防災無線などを紹介するチラシを配付しています。また、市内に住む外国人市民等に向けては、イベント情報や新型コロナウイルスに関する情報などを市のホームページに掲載したり、市の公式LINEにより提供しています。しかし、防災情報をはじめ各種の情報の発信が、全ての外国人市民等に周知徹底されてはおらず、いかに浸透させるかが 課題となっています。 市内に住む外国人のうち、水産加工の技能実習生や企業で雇用されている方については、自然災害の注意報や警報などの発出時に、事業所の担当者から素早く情報を知らせることで、社員の安全に配慮していると伺っております。 今後においても、各関係機関や団体と連携しながら、外国人が集まる機会の中で、自然災害発生時の初期行動などの防災に関する情報を伝えていくとともに、外国人市民等の意見を伺いながら、より分かりやすく効果的な防災情報の発信と啓発に努めてまいります。 次に、今後の国際化に貢献できる市職員の人材育成についての御質問ですが、現在、外国人から寄せられる相談には、国際交流課内に設置している外国人相談窓口のほか、市ホームページや国際交流課所管のフェイスブック及びLINEなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて対応しております。また、庁内の市民窓口設置部署等から外国人対応の要請があった際には、国際交流員を派遣したり、翻訳機を貸出しする対応を行っております。 このような現状を踏まえますと、市職員が外国語でのコミュニケーションを行えるようになることは、グローバル化の中で必要なことであると考えております。しかし、そのためには、相当の学習時間や実践に即した訓練が必要であり、御指摘のとおり、窓口を訪れた外国人に対して職員がスムーズな対応を行うためには、翻訳機や翻訳アプリの活用が現実的であることは否めません。国際化に貢献できる職員の人材育成には、外国語の習得が大切な要素であると認識しつつも、困っている外国人の気持ちに寄り添い、相手が何を求めているか理解しようとする意識と実践も大切と認識し、そのことが多文化共生推進につながるものと考えられますことから、市民と外国人が共に文化的違いを認め合い生活できるまちづくりを進めるため、より実践に即した研修を職員の人材育成担当部署と協議しながら進めてまいりたいと存じます。 ○議長(木村琳藏君) 水道事業所所長。  〔水道事業所長今入義章君登壇〕 ◎水道事業所長(今入義章君) 私からは、水道事業についての御質問にお答えします。 まず、水道事業におけるコンセッション方式についての御質問ですが、令和元年10月1日に施行された改正水道法では、全国的な課題である給水人口の減少による料金収入の減少、施設の老朽化に伴う維持管理費・更新費用等の増加、職員減少による技術継承の問題などに対応すべく、基盤強化を図ることを掲げております。当市においても、さきに述べました改正の趣旨と同様の課題を抱えており、今後、事業経営は厳しくなることが予想されます。平成29年に策定した水道事業経営戦略では、これらの課題と経営の効率化へ向けて取り組むこととしているところです。その効率化への取組の1つであります、民間のノウハウの活用でございますが、御質問にありますコンセッション方式は水道事業者等の位置づけを維持しつつ、水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる公設民営化方式であり、民間事業者の有する経営や技術などのノウハウを活用でき、水道の基盤強化のための有効な一手であると捉えております。 当市にコンセッション方式を導入した場合のメリットといたしましては、一般的に言われております既存債務の圧縮などによる財政負担の軽減が見込まれることや民間技術やノウハウを活用でき業務改善がなされる可能性があります。 デメリットにつきましては、メリットである財政負担の減少が見込まれる一方で、民間事業者側の経済性優先のコスト削減により、人口減少によるエリア縮小などサービス低下への懸念が生じることや当市における水道事業経験者が減少することに伴う現場への知見が不足することなどが挙げられます。ほかの導入事例として、令和4年4月から事業開始である宮城県の上工下水一体官民連携運営(みやぎ型管理運営方式)が挙げられますが、そのほかの自治体では、検討を含め導入を延期する事例もあり、引き続き、効果や課題などを見極める必要があるものと考えております。また、現状、当市では起伏が多く、水源や水道施設が多数点在する非効率な地域特性を有していることから、コンセッション方式での民間事業者の参入の可能性は低いものと推察されますが、現段階ではコンセッション方式のみではなく、より効果的な方法の導入など、今後慎重に対応してまいります。 次に、水道事業に係る課題と解決策、今後の展望についての御質問ですが、初めに、水道事業の経営状況について御説明させていただきます。 令和2年度の決算では、独立採算での事業を継続しており、経営の健全性、効率性はおおむね良好な状態を維持している状況ですが、給水人口は、平成25年度の3万5906人をピークに減少傾向に転じ、令和2年度は3万1561人と4345人の減、減少率は12.1%となっております。また、年間の有収水量は平成29年度の380万1755立方メートルをピークに、令和2年度には351万7776立方メートルと28万3979立方メートルの減となり、減少率は7.5%と、いずれも今後の給水収益が減少する傾向が続くものと捉えております。さらに、人口の減少だけではなく、節水機器の普及、節水意識の向上やライフスタイルの変化なども有収水量減少の要因につながっているものと考えます。 また、質問で触れられたように、昭和50年代の拡張事業で布設した水道管の多くが平成26年度以降、順次、法定耐用年数を迎えていることから、令和2年度末での法定耐用年数40年を超える管路延長の割合を表す経年化率は33.8%と高く、今後さらに上昇が続いていくことになります。震災後は、復興事業を優先的に取り組んでまいりましたので、復興整備エリア外にある既存施設の更新に遅れが生じていることも要因の1つとなっております。 以上のように、水道事業における課題は、給水収益の減少と老朽施設の更新の2点が挙げられます。この課題に対しての解決策ですが、基本的には、当年度純利益の確保、自己資金の確保、企業債残高の抑制の3点から財源の確保に努めてまいりたいと考えておりますが、そのためには、水道施設の更新需要と財政の収支バランスを取りながら、特に基幹施設や重要な施設の更新を推進し、安全、安定した運用が継続できるよう取り組んでいかなければなりません。平成29年度に策定した水道事業経営戦略は、課題解決に向けて中長期的な視野での基本的な方向性を示したものですが、計画、実施、評価、改善とPDCAサイクルを活用し、質を高めていくための見直しが重要と捉えております。見直しにつきましては、その重要性から、先般、総務省からの通知により令和7年度までの見直し、改定を求められているところであり、現在、県の主導の下に新いわて水道ビジョンに基づく現状分析、将来推計、経営上の課題を踏まえつつ、対応することとしております。 水は生命の源であり、健康の源です。今後も良質な水で安心、安全、安定した将来にわたり使い続けられる水道水の供給に努めてまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) それでは、まだ時間がございますので、自席より再質問させていただきます。 まず、水道事業について質問させていただきます。 答弁では、釜石市、当市は起伏が多く水源や水道施設が多数点在する非効率な地域特性を有しており、コンセッション方式での民間事業者の参入の可能性は低いと推察されるが、現段階ではコンセッション方式のみではなく、より効果的な方法の導入など、今後慎重に対応するとの答弁でした。一方で、平成31年の3月定例会において、当時の議員からの同様の質問に対して、現段階では導入については考えていない。今後、ほかの事業体の動向を注視しながら対応していくとの答弁がありました。 この2つの答弁から鑑みますと、現時点でコンセッション方式を導入した上での経営の可能性というものを排除していないと。3年の間で何らかの検討が内部でなされたんじゃないかというふうに捉えてしまうんですけれども、実態はいかがでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 水道事業所所長。 ◎水道事業所長(今入義章君) お答えいたします。 コンセッション方式につきましては、当初、幾つかの自治体で導入しようとする動きがありました。その動向を注視しておりましたが、現在、4月からの事業開始となる宮城県での導入のみの1事業体の導入であります。効果や課題については、海外での事例などから見る一般的なものを把握するにとどまっているため、当市での具体的な検討までは至っておりません。 民間活用については、他の手法を併せて検討するものであり、コンセッション方式はその手法の1つでありますことから、その可能性については低いものですが、選択肢の1つとして排除まではしておりません。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) やはりコンセッション方式自体が日本でまだなかなか浸透していないというところ、あと実際に導入を決定しているのが1事業体、それはお隣宮城県、県単位での水道事業ということになりますので、なかなか参考になるというか、サンプルが少ないというのも事実だと思います。海外だとそもそもの法の規制であるとか、水道事業の設立の背景自体も全くもって違うので、イギリスなのか、フランスなのか、ドイツなのかというところも含め、かなり違いがあるところなので、この導入について、早急にやりなさいよとか、やってはいけませんよというようなことを言うほどではなく、やはり慎重に検討した上で、水というのは毎日誰しもが飲むものであって、料理に使ったり、あとは生活排水として流していったりということもあるので、やはり多くの市民の利害に関わることですので、慎重に内部としては検討を進めていただきたいなとも思います。 次に、その水道事業に係ることで、釜石市の水源についてなんですが、釜石市の地下水の水源、地下水水源率は約90%程度、そのほとんどの水源が地下水に頼っているというものだと私は認識しています。例えば過剰な水揚げ、揚水、あとは水質の汚染、あとは土壌の汚染などで、一旦地下水、水源に大きな被害を受けると、その復旧にかなりの時間と経費が必要になるんじゃないかと。また水源というところなので土地が絡んできます。日本というのは比較的外国の方の土地の取得に対して、周辺の国と比べるとかなり緩い地域でもあるので、仮に悪意のある外国の方が、日本の方が、どなたでも構わないんですけれども、良識のない方が例えば水源であるとか、水源がある林、水源林などを取得して過剰な開発をしたり、あとは過度な取水、水を取ったりというような行動が実行されれば、ほかの水源にも影響を及ぼす可能性というのは否定できないと思います。 なので、今現在、行政として、水道事業所として、水源の適切な管理ないしは保守といったものが今行われているのかどうか。その実態について、答弁お願いします。 ○議長(木村琳藏君) 水道事業所所長。 ◎水道事業所長(今入義章君) 水源の適切な管理保守について実施されているかという御質問ですが、水源及び表流水の取水口については、定期的に月に2回巡回を行い、適切な維持管理、保守に努めております。水源林の保全につきましては、東日本大震災以前ではありますが、各水源に係る山の所有者についての調査を実施した経過があります。 今後、関係各所との情報共有を図り、情報収集に努め、現状把握に努めてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) 地下水の水源率が90%と高いので、一度、その地下水が汚染されてしまうと、周辺地域の水を使う方に対してかなりの影響を及ぼすこともありますので、定期的な監視、管理、現状の把握というものは今後も努めていただきたいと思いますし、実際、今、やり取りの中で表流水の取水を一部していますよとなったときに、多分その表流水であるとか、水源というもの自体の地権者、土地を持っているものというのは、いわゆる公有地、市が所有している土地ということで間違いはないですか。 ○議長(木村琳藏君) 水道事業所所長。 ◎水道事業所長(今入義章君) 釜石市上水道事業の水源につきましては、地下水を利用する井戸のタイプと、あと表流水、沢水とか河川水を取水して水源とする2タイプの水源を持っております。地下水を水源とする水源が8か所あります。地下水につきましては、その土地について、公有地もありますけれども、個人のところに地下水を求める場合には、その部分の土地を購入して水道事業所の所有として地下水をくみ上げます。表流水につきましては、沢水とか河川等の中につくりますので、その青線の中に施設があるというように認識しております。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) 基本的には土地、井戸を掘って地下水を取水するために購入するということなので、やはり公共的な事業でございますので、その担保は何よりも土地を持っていることだと思いますので、これは継続して取り組んでいただきたいですし、今、表流水については青線部分が多い。青線なので、いわゆる法定外の公共物ということになるとは思うんですけれども、その法定外の公共物というのは、まず管理するのは釜石市なのか、それともその表流水から取水をしているもの、例えば集落の方なのか、一般的には釜石市が管理しますよという例が多いと思うんですけれども、基本的なところで建設の部門になってしまうのかもしれないですけれども、法定外の公共物の管理というのは基本的にどなたがされているんでしょう。 ○議長(木村琳藏君) 建設課長。 ◎建設課長(本間良春君) お答えいたします。 法定外の公共物につきましては、国のほうから譲渡を受けまして、現在は釜石市のほうで管理しているというところになります。その法定外公共物の青線、赤線含めて、今、釜石市で管理しているというところです。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) その法定外の公共物を管理していますよというのを明確に示した条例というのは、今あるんでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 建設課長。 ◎建設課長(本間良春君) 法定外公共物の管理している条例につきましては、釜石市でもつくってございまして、それが道路法等の適用を受けない公共用財産の管理に関する条例というところで、この中で管理をしているというところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) ありがとうございます。やはり法定外公共物となった場合に、仮に事故であるとか、何かしらの不具合が起きた場合に、その事故によって発生した、例えば不備による事故が発生した場合に、その責任の所在がどうなるのかというところにも議論が最終的に終着してくる可能性もあると思うので、その法定外公共物に対して、ある程度手を加えるという形で取水をするとなった場合にも、責任者の所在をどうするのかというところが内部的にもしっかりと詰めていただきたいですし、万が一事故等が発生した場合の損害賠償の責任の主体となり得ることもありますので、やはり慎重に今後も事業を進めていただきたいと思います。 次にまいりますが、多文化共生推進プランについてお伺いをいたします。 大分近年、新型コロナの影響を受けましてイベント自体の開催が中止となっているようなケースもございます。答弁の中でも外国人市民等が地域の行事や活動に積極的に参加しながらというような前向きな答弁があったんですけれども、昨今、コロナ禍においてイベントの開催規模がどんどん縮小、減少している中で、どのように交流の場というのを確保していけるのでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際交流課長。 ◎国際交流課長(中村達也君) それでは交流の場の確保ということにお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症がまん延した当初は、そのとおりイベントの中止、市の施設の閉鎖等により、やはり交流の場は閉ざされました。しかし、現在は、いまだ感染症が収束していない状況ではございますけれども、コロナ禍における対象イベントの実施について、十分な感染症対策を講じた上で再開しつつございます。そういったことで住民が学び、文化の向上を図る公民館施設につきましても、そこで行われる事業活動も同様のように少しずつではありますが再開してございます。 ですので、今後、生活応援センターと連携して、国際理解に主眼を置いた交流の場を創出していって、その積み重ねが地域コミュニティーにおける社会参画につながっていくのではないかと考えてございます。 また、市内にある民間の国際交流団体でございます釜石国際交流協会とも事業を連携しながら交流の場を確保していきたいと考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) ぜひ、なかなか異文化と触れ合う機会というものも、我々一般の市民の感覚からすればなかなかないので、触れ合える場であるとか、お互いを尊重して理解し合える場、交流の場というのは確保していただきたいなとも思います。 ただ、一方で、そもそものところで大変恐縮なんですけれども、市が例えば主催するイベントなどにおいて、外国の方、外国人市民等の参加状況というのは把握されていますでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際交流課長。 ◎国際交流課長(中村達也君) 外国人市民のイベント等への参加状況ということでございますけれども、市主催のイベント別の参加状況のデータは取ってございません。でありますけれども、昨年、この推進プランを作成するときに、外国人の方々に出したアンケートの中に、町内会などの地域イベントに参加したことはありますかという問いに対しまして、ありますとお答えいただいた方が41%、ありませんというお答えの方が半数以上の53%という、アンケート調査ですけれども、こちらのほうが大体の状況なのかなというふうに認識してございます。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) この推進プランという形で、いろんな文化の中で共に生きる人同士として理解をしましょうという中では、やっぱりお互いに心の壁を取り去らないことには、やはりなかなか距離というものも縮まらないと思いますし、できるのであれば、やっぱり外国の方が市のイベントにどれだけ参加しているのかというのはカウントを取っていただきたいですし、むしろ逆に何で参加できないのかということもそのアンケートを通じてうかがい知ることもできると思いますので、ぜひいろんなパターンから検討を重ねていっていただいて、このプランというものをよりよいものにしていってほしいなと思います。 実際に多文化共生推進プランの中で話をするとなってくると、やっぱり外国人市民の方も、例えば釜石市に対して何かしら思うことというのはあると思うんですね、不便なこと、不満なこと、ここを改善してほしいなと思うこと、いろいろあるとは思うんですけれども、例えば直近の例でいくと、例えば東京の武蔵野市では、常設型の住民投票制度の創設を目指す動きがあって、これは中止にはなりましたけれども、外国籍の方も日本の国籍の方とほぼ同じ条件で住民投票に参画できますよというのが、この武蔵野市の市長が提出した住民投票制度のみそだったんですよ。もちろん、市議会議員という立場から鑑みれば、あまり行き過ぎた直接民主制みたいなところというのは、ある程度のところは牽制するということは致し方ないというのは理解していただきたいんですが、やはり住民投票制度の創設とか、あとは外国人市民の方の不満不平というものとか、あとは釜石市の市政に対しての判断基準というものを設けるというのは、今考えとして持っているんでしょうか。どうなんでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 総務課長。 ◎総務課長(川崎浩二君) 住民投票制度についての御質問をいただきました。 住民投票につきましては、我が国の地方自治制度の根幹をなす代表民主制の補完的な制度というふうに認識しております。地方自治体の住民が多様な住民ニーズを直接民主制的な手法で行政運営に意思を使える仕組みであるというふうに捉えてございます。 この制度化に当たりましては、住民投票の対象とすべき事項、選挙で選ばれた市長や議会権限との関係、それから投票結果の拘束力の在り方というふうなことが議論されているところです。住民投票の対象といたしましては、全国的に話題になった事例としますと、あの大阪都構想ですとか、あと沖縄県の米軍飛行場の移設に関する埋立ての賛否というふうな事例がありますけれども、我々市町村レベルでは、やっぱり市町村合併の賛否ですとか、あるいは産業廃棄物処分場の設置の是非といったようなことが事例としては多いというふうに捉えております。 当市においても経済的あるいは文化的にグローバルな交流が進んでまいりまして、多国籍の住民が増加することで、新たな生活課題が生じる可能性も否定できるものではございません。その当市の多文化共生における現状と課題を定期的に検証、評価しながら、住民投票制度の運用というよりは、むしろまちづくりに関する話合いですとか、交流の場への参画を促してまいりまして、それに市も積極的に関わりながら相互理解の機会創出、形成というふうな部分で課題を一緒に解決してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) この場で住民投票制度に外国籍住民を参加させるかどうかの是非について、私は明確に答えはしませんが、やっぱりいずれにしても交流の場ということですよね。いろんな方々のざっくばらんな腹を割った意見を聞けると。それは外国人であるとか、釜石市民であるとか、ほかの市町村の人関係なく、やっぱりいろんな交流の場から生まれてくるものということに重きを置いて、これからも事業というのを展開されていくんだろうなとは思いますので、やはりそういった交流の場の確保というのは、このコロナ禍にあって工夫しなければいけないことは多々あると思いますが、ぜひ1回でも多く、少しでも時間長く開催できるのであれば開催していっていただきたいなとも思います。 最後、スポーツ事業についてお伺いをさせていただきます。 ラグビーに関することになりますが、3月5日開催の試合は、チーム関係者から残念ながらコロナウイルスの陽性者が出てしまったということで、レギュレーション上は中止という判断となりました。実際、私も朝、車を走らせていると釜石駅前ですとか、チームの関係者、あとはGMが試合をやります、皆さん、応援にいらしてくださいねというような形で広報活動をしていました。実際、それもテレビ報道等でもされておりました。行政として、今、広報かまいしの裏面のところに試合開催のお知らせというのが出ていると思うんですけれども、地元の一体感の醸成であるとか、あとは結束力を高めていくという意味でも、その広報に関する支援というのはできるんじゃないのかなと。もうちょっと一歩踏み込んでもできるんじゃないかなと思うんですけれども、何か具体的に考えていらっしゃることはありますか。 ○議長(木村琳藏君) スポーツ推進課長。 ◎スポーツ推進課長(佐々木豊君) 広報として行政ができる支援という御質問でございました。 議員お話しされたとおり、広報かまいし3月1日号の裏面1面でリーグワン、今回釜石で開催します4試合についての情報提供は行っておったところです。 また、それ以外にもスタジアムのホームページやSNS等を通じて、広く周知を図っているところでございます。SNS等につきましては、市内のみならず市外の方々も登録していただいているところでございますので、市内外に大きくPRできているのではないかなというふうに思っております。 また、今回の試合開催についてのチラシも作成しまして、市内の主要な施設に配置をしておるところでございます。 また、主なところにのぼりの掲出等を行いたいなというふうに考えております。あまり試合より前にのぼり掲出しますと、いつが試合なのかというところが明確にならないかなというところで、前回の試合の際にも試合の前日、近いところでのぼりを掲出したいなというふうに思っていたところでございました。今回も12日に試合がございますので、その前日か前々日ぐらいには駅前ですとか、あとチームで予定しておりますシャトルバスの停留所ですとか、そういったところにのぼりを掲出したりですとか、鵜住居のスタジアム周辺にも、チームでも今回新しくのぼりを作成したというふうなお話も伺っておりますので、それと併せて市でつくっているのぼりなんかも掲出して、盛り上げに協力していきたいなというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) ぜひ宣伝すればするほど目に留まる回数も増えると思いますので、目に留まる回数が増えれば足を運んでいただく方も増えるのかなとも思いますし、実際、埼玉とかサッカーが有名なところに行くと、シティドレッシング、当たり前のようにやっていて、それこそ開催日程、何もないのに、駅前に行けばもうそのチームのカラーで一色みたいなのがもう当たり前のようになっていて、盛り上げ方としては上手だなと思って見ているんですけれども、シティドレッシングというのはもう別にいつやってもいいと思います。それがラグビーというのが釜石にあるんだよというふうにある意味刷り込ませていくということのほうが重要かなとも思っているので、シティドレッシングはずっとやっていいと思いますし、あと、お金をかけずにとなれば、例えば市の公用車とかにも釜石シーウェイブスを応援していますよというようなのをラッピングしたりとかというのも1つの方法にもなるでしょうし、これがもちろんできるか、できないかは別としても、そういったようなこともできるのかなと思いますので、いろんな角度から応援していっていただきたいなと思います。 そのスタジアムの機能の改修について、例えばリーグワンで規模拡大してきましたとか、レギュレーションの変更があってナイトゲーム開催できるようにスタジアム整備してください、あとは音響設備を整えてくださいとなった場合には、必要に迫られた場合には、必ずこれというのは検討のテーブルにのるということの認識で間違いないでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) スポーツ推進課長。 ◎スポーツ推進課長(佐々木豊君) スタジアムの機能強化についての御質問でございました。 議員の御質問にもございましたが、照明設備や大型映像装置が今のスタジアムは具備されておりません。それにつきまして、どうしてもそれが必要ですというふうな条件になった場合には、リーグ側やチームとも相談しながら、またスタジアムの運営委員会等にも諮った上で、関係者と協議して議論してまいりたいなというふうに思っております。 また、シティドレッシングのお話もございましたけれども、官民一体となって組織しておりますラグビーのまち釜石推進協議会という組織もございまして、その中でいろいろな取組について御提言いただいたり、やっていただいたりしているところでもございます。JR釜石駅の駅舎の上のほうにも、JRさんのほうで自ら横断幕を設置していただいたり、あと来週ぐらいにネットに掲載されるかもしれませんけれども、岩手県のコミックいわてという漫画がございますが、その漫画のほうでもラグビーのまち推進協議会で御提言いただいた釜石のラグビーを題材とした漫画というふうなお話もございまして、それが掲載される予定というふうなお話も伺っております。そういった取組も進めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君。 ◆2番(磯崎翔太君) 時間が少なくなってしまいましたが、やっぱりせっかくラグビーというトップリーグに参加するようなチームがありますので、ぜひいろんな方面からいろんな方法を使って、皆さんに浸透させてほしいなとも思いますし、私も応援したいなと思っています。 最後、聞こうと思っていたのが1個ありまして、時間なければ答弁要らないんですが、提言で終わってしまうと思いますので。 季節ごとにスポーツで利用されている公共施設、大分ばらつきがあるよと。例えば集客があまり見込めない時期の施設運営には一定の課題が残るのかなと。やっぱり通年通して利用していただいたほうが、収益率も上がりますし、運営上、年間を通して安定した収益が見込めるという意味では、やはりいいのかなと思います。 費用対効果というのも検証しなければならないとは思うんですけれども、例えば、ないものねだりするんじゃなくて、あるものを生かしていこうという考え方でいけば、例えば屋外プールをアイススケートのリンクで冬場の1か月、2か月の間だけ開放していますよというような自治体があったり、既存の施設をいかにうまく有効活用していくかということも重要であるとは思うので、ぜひいろんな方面から、年間を通したスポーツ利用というのが市民の方ができるように、もしくは周辺の方でも、釜石に来て、遊んでいっていただけるというような環境づくりというのを続けていっていただきたいなと思います。 以上で終わります。 ○議長(木村琳藏君) スポーツ推進課長。 ◎スポーツ推進課長(佐々木豊君) 御提言ありがとうございます。 利用できていない期間のスポーツ施設について、年間通して利用できれば、市民への提供という観点からもいいものと考えております。市内のスポーツ施設のほとんどが指定管理者制度を導入しておりますので、またその指定管理者の自主事業にもなってくるかと思いますけれども、指定管理者とも相談しながら考えていきたいなというふうに思います。 ○議長(木村琳藏君) 2番磯崎翔太君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。               午後5時51分散会                         釜石市議会議長 木村琳藏                         釜石市議会議員 細田孝子                         釜石市議会議員 水野昭利...